藤浪晋太郎(オークランド・アスレチックス)は5月8日(日本時間)、敵地カウフマン・スタジアムで行われたカンザスシティ・ロイヤルズ戦でリリーフ登板するも、1.1回を投げて4被安打、3失点の乱調に終わった。
藤浪は1-2でアスレチックスが1点ビハインドのまま迎えた7回、先発投手メイソン・ミラーに代わり2番手としてマウンドに上がった。藤浪に託された任務はこれ以上の失点を抑えることだった。
初回は安定的だった。ネーサン・イートン、ジャッキー・ブラッドリー・ジュニアの先頭2人を抑え、続くボビー・ウィット・ジュニアには安打を許したが、ビニー・パスクァンティーノを左飛に打ち取り、無失点でイニングを終えた。
ところが、8回に突如悪夢が広がった。
先頭のサルバドール・ペレス、MJ・メレンデスの連続安打で無死一、二塁とすると、ニック・プラットに2点適時打を打たれた。3ボール1ストライクの不利なカウントから、5球目に投じた158kmのストレートを打ち返されてしまったのだ。
直後、マイケル・ガルシアを一ゴロで抑えた藤浪だが、サムエル・ロングにマウンドに譲り降板した。その後、ロングがマイケル・マッシーの犠飛から1人をホームに帰したことで、藤浪の防御率は従来の13.50から13.94に跳ね上がった。
藤浪は高校時代、160kmの剛速球を投げ、同世代の大谷のライバルと呼ばれた選手だった。
阪神タイガースでプロデビューし、2013年から3年連続で二桁勝利を収めたが、2017年以降は制球難や負傷で期待に及ばない活躍が続いていた。2020年には新型コロナウイルス感染に続き、練習遅刻で2軍への懲罰降格を受けたりもした。
昨季を16試合3勝5敗、防御率3.38で終えた藤浪は、シーズン終了後にポスティングシステムを通じてMLBに挑戦した。そして、アスレチックスと1年325万ドルで契約を結び、念願のアメリカ進出の夢を叶えた。
オープン戦では5試合3勝無敗、防御率3.86でデビューシーズンへの期待を抱かせた藤浪だが、本番に突入するとまったく別人の投手に変貌した。
デビュー戦となった4月2日のロサンゼルス・エンゼルス戦で2.1回8失点を喫したのを皮切りに、先発投手として4試合勝利なしの4敗、防御率14.40という惨事を経験し、4月23日のテキサス・レンジャーズ戦での2.1回8失点を最後に中継ぎ降格となった。ただ、新たな役職でも5試合で防御率12.71と、MLB適応に苦労している。
(記事提供=OSEN)