続いて「ニューカッスルは、マンUが狙っているキム・ミンジェの獲得に重きを置いている。彼は7月1日から活性化される4200万ポンドの放出条項を持っており、マンUのエリック・テン・ハフ監督が彼を望んでいる」とし、「キム・ミンジェの移籍先候補としては依然としてマンUの可能性が高いが、ニューカッスルもまた状況を注視している」と付け加えた。
注目すべき点は、ニューカッスルがすでにキム・ミンジェ側と会っているということだ。『ザ・サン』もそこに着目し、「キム・ミンジェのエージェントはニューカッスルのシーズン最後の試合でホームスタジアムのセント・ジェームズ・パークを訪れ、首脳陣と対話を交わした」と強調している。
キム・ミンジェは2022-2023シーズン、ナポリで満点の活躍を見せた。昨夏にセリエA入りするやいなや、ナポリのDFリーダーに定着し、欧州屈指のセンターバックへと成長した。
前任者カリドゥ・クリバリ(現チェルシー)の移籍を感じさせない強靭なフィジカルとスピード、優れた予測力を武器に、セリエAとCLの舞台で躍動。安定したビルドアップ力も欠かせない。ナポリはキム・ミンジェを中心にリーグ最少失点を記録し、なんと33年ぶりのスクデットを獲得。通算3度目の優勝かつ、ディエゴ・マラドーナなしでは初優勝だったため、より意味深い成果となった。
キム・ミンジェはイタリアで1シーズンしかプレーしていないにもかかわらず、ナポリ歴代ベスト11に言及されるほどナポリサポーターの心を鷲掴みにした。「DAZN」は彼にシーズンを通しての評価として10点満点を与え、イタリアメディア『ファンページ』もやはり「キム・ミンジェは強烈さ、競争心、そして躍動性の面で、ものすごいパフォーマンスを見せることですべての批判をなくした。彼はゴール前の錠前だ」とし、9点を与えている。
『フットボールイタリア』も「キム・ミンジェはシーズン最高の選手の一人」とし、「誰も、彼が1年以内にクリバリもより大きなレジェンドになるとは予想できなかっただろう」と拍手を送った。
キム・ミンジェ個人としても多くの成果を上げている。彼は昨年9月、アジア人選手としては初めてセリエA今月の選手賞を受賞し、10月にはイタリアサッカー選手協会が選んだ今月の選手に選ばれた。また、『EA SPORTS FIFA』が選定するセリエA今年のチームにも彼の名が記されている。
セリエA最高のDFもキム・ミンジェのものだった。彼は、ともに最終候補の3人に選ばれたチームメイトのジョバンニ・ディ・ロレンツォ、テオ・エルナンデス(ACミラン)を抑え、デビューシーズンでいきなりリーグ最優秀DFに輝いた。こちらもアジア人選手初だ。
このような人材を世界のビッグクラブが放っておくわけがなかった。
自然に数多くのラブコールが殺到し、キム・ミンジェの移籍は時間の問題になったのだ。現時点では、大先輩であるパク・チソンも所属したマンUが有力な移籍先の最有力候補となっている。
ヨーロッパサッカー界で最も有名な移籍専門ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノによると、マンUは昨年からスカウトを派遣し、キム・ミンジェを着実に追っているという。
キム・ミンジェのマンU移籍は既定路線だという話まで出た。先立ってイタリア『イル・マルティーノ』は、キム・ミンジェとマンU間の契約は事実上終わったとし、彼が住む家まで探しておいた状態だと主張。米『CBSスポーツ』のベン・ジェイコブズ記者もやはり、「マンUがキム・ミンジェ獲得で先頭を走っている」と伝えた。
イタリア『カルチョ・メルカート』所属のダニエル・ロンゴもマンUがキム・ミンジェを獲得すると見られるとし、マンUは6000万ユーロ(約90億円)を支払うと報じた。キム・ミンジェもすでに、ナポリのチームメイトたちに別れの挨拶をしたという。
そんななか、ニューカッスルが強力なライバルとして浮上している。
ニューカッスルは昨シーズン、サウジアラビアの政府系ファンドを中心とするコンソーシアムに買収され、新たなリッチクラブとして生まれ変わった。今季のリーグ戦を4位で終えたことで、来季のCL出場権を獲得したニューカッスルは、堅実な補強の一つとしてキム・ミンジェの獲得を目論んでいる。
ニューカッスルは来季、複数のコンペティションに参加するため、今夏の移籍市場でより充実したスカッドを揃える見通しだ。
『ザ・サン』は「ニューカッスルのエディ・ハウ監督は、CLの舞台でファビアン・シェア、スヴェン・ボットマンと競争できるセンターバックを望んでいる。ジャマール・ラスセルズは長期的な計画には含まれておらず、契約最後の年に入ったため、今夏にチームを離れる可能性がある」とニューカッスルの現状を伝えている。
代表戦に参加するため、6月6日に“凱旋帰国”したキム・ミンジェは、15日から3週間にわたって基礎軍事訓練を受ける予定だ。その後、本格的に移籍交渉に入ると見られる。
もしもキム・ミンジェがニューカッスルのユニフォームを着ることとなれば、プレミアリーグに挑戦する15人目の韓国人選手となる。同時に、代表の先輩であるキ・ソンヨン(現FCソウル)の後を継ぐことにもなる。キ・ソンヨンは2018年夏にニューカッスルに入団し、2020年1月までプレーした韓国サッカー界のレジェンドだ。
(記事提供=OSEN)