ほとんどの大手コンビニのホットスナックコーナーでは、チキンが販売されている。安価で美味しいチキンは、それだけ多くの需要があるという証左だろう。
日本でこれだけ愛されるチキンだが、お隣・韓国ではそれ以上に好まれていて、ついには「国民のおやつ」と称されるほどの人気だ。
最近、そんな韓国のチキンを巡ってある論争が繰り広げられている。
きっかけとなったのは、韓国の人気飲食チェーン店GENESIS BBQのユン・ホングン会長の「チキン価格は3万ウォン(約3000円)にしなければならない」という発言だ。
昨今、韓国では原材料価格が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で急騰したことから、「チキン価格を引き上げるべきだ」という意見が強まっている。そこに同氏の発言は大きな影響を与えた結果となった。
値上げ派と値下げ派の言い分は多くあるが、まず、韓国のチキン相場を見てみよう。
韓国のチキンフランチャイズ業界におけるフライドチキンセットの相場だが、現状では1万8000ウォン(約1800円)だ。しかし、この価格では売れても利益がほとんど残らないという。
加盟店に納品する鶏肉費用が5400~5800ウォン(約540~580円)、食用油1800~2000ウォン(約180~200円)、生地・ソース900~1000ウォン(約90~100円)、資材およびサービスドリンク900~1000ウォン(約90~100円)などであり、これに配達アプリ手数料1800~2700ウォン(約180~270円)、配達運賃2000~3000ウォン(約200~300円)などを含めると、1万5500ウォン(約1550円)にもなる。
利益がまったく上がらないというのも、あながち間違ってはいない。
しかし当然だが、チキンの値上げに最も反対しているのは消費者だ。オンライン上では「一度、値上げすれば上がることはあっても下がることはない」「チキンは韓国の象徴でもあり、値上げは庶民の生活に大きな影響を与える」などの意見が上がっている。最も手が出しやすいチキン価格が上がれば、その他のメニューも付随して上がることは目に見えている。
「国民のおやつ」と親しまれている韓国で、“チキン離れ”が起きれば、チキン産業にも大きな影響が起る。値上げには慎重になってもらいたいものだが、はたして。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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