韓国で大学修学能力試験の監督官業務を遂行する過程で知った受験生の電話番号に求愛メッセージを送った教師を、改正前の個人情報保護法では処罰することが難しいという最高裁の判断が示された。
2月25日、法曹界によると、最高裁・第3部(主審オ・ソクジュン大法官)は、個人情報保護法違反の疑いで起訴された高校教師A氏に対し、懲役4カ月・執行猶予1年を言い渡した原審を破棄し、無罪の趣旨で事件をソウル中央地方裁判所に差し戻した。
A氏は2018年11月、試験会場で監督業務を行う過程で、受験生の氏名、住民登録番号、連絡先などの個人情報が記載された受験願書を見て、受験生Bさんの連絡先を知った。
その後、Bさんにカカオトークで「Bさんが気に入った」などのメッセージを送り、個人情報保護法に違反したというのが起訴内容の核心だ。
個人情報保護法によると、個人情報を提供された者は、▲情報主体から別途の同意を得た場合、▲他の法律に特別な規定がある場合を除いて、提供目的以外の用途で個人情報を使用したり、第三者に提供したりしてはならない。
したがって今回の事件の争点は、A氏が「個人情報の提供を受けた者」に該当するかどうかにあった。
まず、1審の裁判所はA氏に無罪を言い渡した。この事件における「個人情報の処理者」は教育部または地方教育庁であり、個人情報の取り扱い者に過ぎないA氏が、個人情報保護法に特別な規定のない利用行為を行っただけでは処罰できないとの判断だった。
一方、2審の裁判所は、原審の判決が個人情報保護という立法趣旨を損なうとして破棄し、A氏に懲役4カ月、執行猶予1年を言い渡した。A氏は教育庁によって任命された監督官として受験生の個人情報を受け取ったため、「個人情報の処理者から個人情報を提供された者」に該当するという論理だった。
しかし最高裁は、A氏を「個人情報の取り扱い者」とみなすのが適切であるとして、原審を破棄し差し戻した。
最高裁の裁判部は「A氏は個人情報処理に関して独自の利益のために個人情報を利用したり、第三者に提供できたりする立場にない」とし、「個人情報処理者である教育庁の指揮・監督の下で受験生の個人情報を取り扱った者として、個人情報の取り扱い者に該当するだけであり、『個人情報を提供された者』とはみなし難い」と判示した。
一方、最高裁は2023年の個人情報保護法の改正により、現時点でA氏と同様の行為をした場合、法的に処罰される可能性があると付け加えた。
(記事提供=時事ジャーナル)
■男子高生44人が女性中学生1人を1年間“犯し続けた”韓国の事件、職場バレした加害者がクビに
前へ
次へ