旧統一教会の韓鶴子総裁が2度目の取り調べに出席 前回欠席では「健康状態は悪化の一途」と弁護人

2025年09月29日 社会
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拘束中の世界平和統一家庭連合(旧・統一教会)総裁、韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏が、特別検察官による2度目の取り調べに出席した。

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尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領夫人・金建希(キム・ゴンヒ)氏に関する疑惑を捜査している特検チームは、9月29日午前10時から政治資金法違反などの容疑で韓総裁を取り調べた。韓総裁が23日に拘束されて以降、特検出席はこれで2度目となる。

京畿道義王市のソウル拘置所に収監中の韓総裁は、法務部の護送車で午前9時51分ごろ、特検事務所が入るソウル鐘路区のKT光化門ビル・ウエストに到着した。

韓総裁は拘束翌日の24日にも取り調べを受けたが、健康上の理由で4時間半で中断。その後26日に再び召喚通知を受けたが、同様の理由で出席しなかった。

弁護人によると現在、拘束適否審(逮捕・勾留の妥当性を審査する手続き)の請求を検討中だという。取材陣から「拘束適否審を申し立てるのか」と問われた際、弁護人は「現時点ではお答えできない」と答えた。

また26日の欠席理由については「午前中に診療予定があったため出席できなかった。午後には出席しようとしたが、拘置所側が護送車の手配ができないとして拒まれた」と説明し、「(韓総裁の)健康状態は悪化の一途をたどっている」と付け加えた。

韓鶴子総裁
(写真=時事ジャーナル)韓鶴子総裁

韓総裁には、2022年1月の大統領選直前に当時の統一教会世界本部長・尹永浩(ユン・ヨンホ)氏が、尹前大統領の当選直後に教団の懸案解決を名目に、権性東(クォン・ソンドン)国民の力議員に現金1億ウォン(約1000万円)を渡す過程に関与した疑いが持たれている。

さらに韓総裁は2022年2~3月、京畿道加平郡の「天正宮」で権議員と2度面会し、金品入りの紙袋を渡した疑惑もある。

これらについて韓総裁は「すべて尹前本部長の独断であり、自分は報告も受けていなければ指示もしていない」と否認。権議員も「教団側から違法資金を受け取った事実はない」と主張している。

また韓総裁には、2022年4~7月にかけて尹前本部長が「建晋法師」こと全成培(チョン・ソンベ)氏を通じて金建希氏に総額8300万ウォン(約800万円)相当の金品を渡し、教団優遇を働きかけたとされる請託禁止法違反の容疑もかけられている。

そのほか、金氏に渡す金品を教団資金で購入したとされる業務上横領、2022年10月に自身の米国での違法賭博疑惑に関する警察捜査を前に尹前本部長へ証拠隠滅を指示したとされる証拠隠滅教唆の容疑もある。

特検チームは、統一教会が「政教一致」の理念実現を目的に尹前大統領夫妻へ接近した可能性があるとみている。また2023年の国民の力党代表選で、教団信者が大規模に動員されたとの疑惑についても捜査を進めている。

(記事提供=時事ジャーナル)

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