大接戦の韓国大統領選挙が終わり、最大野党「国民の力」ユン・ソギョル(尹錫悦)候補が次期大統領に就任することが決まった。
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そんななか韓国では、興味深い“国民請願”が登場した。大統領選で激しい“死闘”を繰り広げて敗れたイ・ジェミョン候補に対する請願だ。
そもそも韓国の国民請願は、韓国大統領府ホームページに設置されており、30日以内に20万人以上が賛同すれば政府関係者の公式回答を聞くことができる。
大統領選の決着がついた3月10日、「イ・ジェミョン氏の緊急出国禁止を要請する」との国民請願が登場した。
請願人は「大統領選挙が終わって大庄洞(テジャンドン)開発事業疑惑や最高裁判所裁判官買収疑惑に対する捜査が始まるはず」とし、「イ・ジェミョン(57歳、前科4犯)氏はもちろん犯罪などをしているわけがないが、大統領選挙で敗れた喪失感で海外旅行に行くと、国民から大きな誤解を受ける」などと述べた。
続けて「イ・ジェミョン氏は本人の言葉通り、まだ若く、江原道で山火事が起きてもソウル新村(シンチョン)で踊りを踊れるくらい活気のある人」と皮肉った。
また「裁判で懲役10年を宣告されて労役して出てきても67歳で、本人が民主党に復帰させたチョン・ドンヨン氏よりも1歳若い年齢」とし、「それほど若く、国家の貴重な財産が海外に出て、国際犯罪組織に拉致でもされれば、国家的にも大きな損失ではないか」などと主張した。
その国民請願には、わずか一日で7万人もの賛同を得た。しかし現在は、非公開となっている。国民請願ホームページの管理者は「事前同意100人以上の要件は満たしたが、請願要件に違反したため、管理者によって非公開になった請願」と告知された。
他社の名誉を毀損する内容だと判断されたようだが、一日で7万人も賛同したというのだから驚きだ。
一方で同日、次期大統領となるユン・ソギョル当選者に対する国民請願も投稿された。
それは「釜山貯蓄銀行の不正捜査疑惑や配偶者キム・ゴニ氏の株価操作疑惑の実態を明らかにせよ」という内容だ。
投稿した請願人は、「第20代大統領にユン候補が当選したが、いまだに本人と夫人に対する疑惑は少しも解消されていない」とし、「これに対する検証と捜査がまともに行われていない状態で、当選者の身分になったことにまったく納得できない」と主張した。
また「ユン当選者が本当に国民と国のために働く指導者になるのであれば、最低限、このくらいの確実な検証が必要だ」と述べた。
こちらの国民請願にも3万9000人の賛同が集まったが、現在非公開となっている。
ユン・ソギョル候補48.4%、イ・ジェミョン候補47.8%という、わずか0.6%ポイント差の“超接戦”で終わった大統領選挙。当選者はすでに決まったが、国民の過半数の票を獲得したわけでもなく、当分はギスギスした空気が続きそうだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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