任期が残り2カ月となった韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領。次期大統領も決まり、いよいよ最後の締めくくりが近づいてきた。
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そんななか、韓国大統領府HPに設置された国民請願コーナーに「文在寅大統領、愛しています」というタイトルの国民請願が上がってきた。
国民請願とは、国民が様々なテーマで大統領府に意見やお願いを伝えることができる制度のことで、韓国では30日間に20万人以上が賛同した請願については、政府や大統領府関係者が正式回答することになっている。
では「文在寅大統領、愛しています」という請願には、どんなことが書かれているのだろうか。
請願人は「困難も数多かったが、大統領がいたから先進国になった大韓民国で自負心を感じながら生きている」とし、「今まで自分の生涯最高の大統領は文在寅という人、ただ一人」と綴った。
続けて「この5年間、文在寅政府の大統領の支持者として生きたことを生涯、誇らしく思う」とし、「任期の最後まで、そして退任後の人生まで応援する。いつも愛しているし、尊敬している」と述べた。
一言で、文在寅大統領の熱烈な支持者が感謝を伝える内容の国民請願なのだが、3月10日に投稿されたこの請願には、驚くことにすでに25万人以上(3月23日16時現在)の賛同者が集まっている。
締め切りの4月9日を待たずして、政府関係者などの公式回答の条件を満たしたわけだ。
今回のケースのように、韓国の国民請願コーナーは2017年8月19日に設置されて以来、様々な話題を提供してきた。ただ、この国民請願制度が新大統領になっても存在しているかは未知数だ。
そもそも国民請願制度は、文在寅大統領が就任100日を迎えて「国民が聞けば政府が答える」という趣旨で、設置されたもの。一日平均33万人が訪問し、700件以上の請願が上がってくるという。
そのため保守系のユン・ソギョル次期大統領が、文大統領が作った制度を引き続き運営していく可能性は低く、廃止されるとの見方が強い。ただ一方で、廃止するのであれば、また違う代案が必要との声もあり、なんとも見通しがつかない状況だ。
いずれにしても、任期の最後に「文在寅大統領、愛しています」という熱烈な支持者の国民請願を受け取り、しかもそれに25万人以上の賛同者が集まったという点は、本人にとっては喜ばしいことだろう。
関係者がこの“べた褒め”の国民請願に何と回答するのか、今から楽しみだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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