来る6月1日に地方選挙が行われるだけに、韓国では現在、全国各地で熾烈な選挙活動が広げられている。各候補ともにラストスパートに入り、有権者へのアピールが激しさを増す一方だ。
ただ、苛烈する選挙活動に対する不満が韓国国民の間で噴出する事態も起きている。特に問題となっているのが、”騒音”だ。
選挙シーズンの街頭演説や街宣車に騒音に頭を悩ませるのは日本も同じだが、韓国ではその不満がすでに一度爆発しており、昨年12月の選挙期間、国民の環境権保障のために騒音規制基準を制限する公職選挙法改正案が通過した。改正選挙法は今回の選挙期間に初めて適用されている。
改正選挙法によると、自動車付の拡声装置は定格出力3kWと音圧レベル127dBを超えてはならない。大統領選挙および市・道知事選挙候補者用は定格出力40kW、音圧レベル150dBまで許容される。
現実には「127dB」という数字は、戦闘機の離着陸音の120dbよりも大きく、騒音対策としては効果がまったく見られていないハリボテの対策だ。そのため国民のイライラが抑えられていないのが現状だ。
そうした選挙活動への不満か、忠清南道(チュンチョンナムド)の選挙区では、50代女性が「うるさい」と抗議して、街宣車のドライバーに暴行する事件まで起きている。
これには、韓国内でも「実際にうるさいし、気持ちはわかる」「仕事中に一日中大きく聞こえるから名前を覚えた。絶対に投票しない」など、50代女性に同情する意見が散見した。
名前を覚えて貰うために、音量を大きくするのは避けられないかもしれないが、不快に思う人がいることはたしかだ。それが投票に悪影響を与える可能性も、少しは考慮したほうがいいのではないだろうか。
(文=サーチコリアニュース編集部)
前へ
次へ