韓国とフィリピンの両国首脳が2016年にフィリピンで発生した韓国人事業家の故チ・イクチュ氏の誘拐殺人事件の主犯に対する刑の執行において、協力することで合意した。
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10月17日、在外同胞社会と韓国大統領室によると、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は10月7日(現地時間)にフィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領との非公開の首脳会談で、この事件の主犯を速やかに逮捕するよう要請した。
ユン・ソンニョル大統領は、主犯である元フィリピン警察庁麻薬取締局チーム長のラファエル・ドゥムラオが、今年6月の控訴審で無期懲役の判決を受けた後に逃亡したことに対し、深刻な懸念を表明した。
またフィリピン政府に対し、主犯の身柄確保や最高裁での判決など、司法手続きが迅速に進むよう積極的に取り組んでほしいと要請した。さらに、昨年フィリピンを訪れた外国人のうち、韓国人が145万人で最多であったことに触れ、フィリピン国内での韓国人の安全に特別な関心と注意を払うよう求めた。
これに対してマルコス大統領は、韓国人が安全に過ごせる環境を整えるために引き続き努力し、主犯の逃亡問題を解決するために最善を尽くすと約束したと伝えられている。
両国首脳は非公開の首脳会談でこの事件について意見を交わしたが、会談内容の詳細は明らかにされなかった。しかし、「戦略的パートナーシップに関する共同宣言」を採択し、「両国民の安全、保護および福祉を常に確保できるよう、さらに緊密で効果的な協力を進めていく」との文言が盛り込まれた。
フィリピン韓人総連合会のユン・マンヨン会長は「公開で議論されていれば象徴的な意味でさらに良かったと思うが、韓国政府が在外韓国人保護をさらに強化するきっかけになることを願う」と述べた。
大統領室の関係者は「両国首脳が合意した内容であるため、遺族などの要望に対して政府として支援できる方法がないか検討している」と語った。
現職の警察官3人は、2016年10月18日にチ・イクチュ氏を誘拐し、警察庁の駐車場に連行して殺害した。この事件では共犯者2人が2023年6月に無期懲役を言い渡されたが、主犯には無罪判決を受けていた。
その後、控訴審で判事は今年6月に「第一審判事が重大な裁量権の乱用をした」とし、主犯に「仮釈放なしの無期懲役」を言い渡した。しかし主犯は、フィリピン控訴裁判所が速やかに逮捕令を発行しなかった隙を突いて逃亡し、現在も捕まっていない。
(記事提供=時事ジャーナル)
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