ここ10年、フィリピンで韓国人が被害者となる殺人事件が急増している。
10月7日、韓国国会・外交統一委員会所属のキム・ヨンベ議員が外交部から提出を受けた資料によると、2015年から2024年上半期まで、フィリピンで発生した殺人事件の韓国人被害者は計38人に上った。
この数字の高さは、日本などの他国と比べるとわかりやすい。アジア・太平洋の国家で殺害された韓国人は計86人だが、そのうちフィリピンが全体の44.2%を占めることになるのだ。次点の日本では13人、中国では5人ということからもわかる通り、多くの韓国人がフィリピンで命を失っているのだ。
さらに殺人事件だけでなく、フィリピンで韓国人は強盗事件の被害も多い。その数は同期間、102人に上る。中国で19人、日本で3人と比べれば一目瞭然だろう。
ではなぜ多くの韓国人がフィリピンで犠牲になっているのか。その理由のひとつは、「韓国人は金持ち」というフィリピン人のイメージだという。
実際にフィリピンで起こる韓国人殺害事件の多くは、金銭トラブルが原因と考えられている。
2015年10月2日に殺害されたイさん(54)夫婦は、自宅を建設中、現地工事業者と代金の問題で激しく言い争っていたという。夫は脅迫も受けており、それを警察に伝えた記録も残っているが、結局、事件を防ぐことはできなかった。
また、同年8月19日に自宅で10数発の銃弾を受けて殺害されたナさん(64)も、自動車の代金や自宅の工事費などで揉めて脅迫を受けていたとされる。
事業家のチさん(53)が拉致・殺害された2016年10月の事件の主犯がフィリピン警察の元幹部だったという衝撃のニュースもあった。今年6月、その元幹部に無罪を宣告した1審判決が覆され、無期懲役の判決が下された。ただ、それから4カ月が経った現在も彼は逮捕されておらず、フィリピン当局が行方を追っている状態だ。
韓国人にとってフィリピンは、日本、ベトナム、タイに続いて第4位を記録するほど、多くの人が訪れる国だ。そんな国で多くの韓国人が命を落としているだけに、韓国側も対応に迫られている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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