世界で最も多くの人が日本を訪れている国は韓国だ。そんな韓国人観光客が日本旅行の際、一番利用している航空会社がわかった。
日韓路線を運航する韓国の航空会社全体で、最も高い市場シェアを記録したのはチェジュ航空だった。韓国のLCC (格安航空会社)だ。
韓国国土交通部の航空情報ポータルシステムによると、今年1月から10月までの日韓路線の輸送客数は2056万6186人で、国際線路線全体で最も多い乗客数を記録した。2位の中韓路線(1156万910人)と比べて、2倍ほどの圧倒的な数字だ。
韓国で日本旅行がどれほど人気を集めているかが伝わってくるデータだが、チェジュ航空は堅実な市場シェアを基盤に、日本路線の“最強者”としての地位をさらに強固なものにしている。
同期間、チェジュ航空の日本路線の輸送客数は315万3963人で、市場シェア15.3%を記録した。これは日韓路線を運航するすべての韓国航空会社の中で最も高いシェア率だ。
11月時点で、チェジュ航空は仁川(インチョン)/釜山(プサン)~東京(成田)、大阪、福岡など、16の日本路線を週224回運航。また、10月27日からは釜山~札幌路線に新規就航し、12月8日からは務安(ムアン)~長崎路線にも新規就航する予定だ。
チェジュ航空はシェアトップの要因として、多様な路線とスケジュール、合理的な運賃を挙げている。
チェジュ航空の関係者は「近場で短期間、頻繁に旅行に出かけるトレンドと円安現象が重なり、安定した日本旅行の需要が続いている」とし、「短距離ネットワークでの競争力をさらに強化し、最もLCCらしい航空会社として、本来のビジネスモデルを強化していく」と語った。
LCC航空会社がシェア1位というのは、韓国人観光客が日本旅行に何を求めているのかを端的に表しているといえるかもしれない。
韓国のデータコンサルティング企業「PMI」が全国20~69歳の男女3000人を対象に実施したアンケート結果によると、海外旅行で最も人気なのは「日本」(37.3%)だが、その理由は「円安で旅費が安いから」だった。
実際に韓国人観光客は日本に一番多く訪れているが、国土交通省観光庁が発表した「インバウンド消費動向調査」を見ると、1人当たりが使う旅行支出額は、資料に記載されている国・地域のなかで最も低い20位となっている。
つまり韓国人観光客は「低コストで高満足」を求めて日本を訪れているわけだ。そのためLCC航空会社がシェア1位というのも納得できる結果ではないだろうか。
韓国人観光客が求める「低コストで高満足」という旅行スタイルは、日本と韓国の地理的近さやLCCの多様なサービスが後押ししている。今後も多くの韓国人観光客が日本を訪れそうだ。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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