“非常戒厳”は解除されたが…韓国野党、ユン大統領の弾劾へ着手「民主主義の敵、今日中に弾劾案を提出する」

2024年12月04日 政治
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韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が12月4日、非常戒厳解除を宣言した後、「共に民主党」や「祖国革新党」などの野党は非常戒厳解除だけでは不十分であるとし、即時的な弾劾手続きへの着手を示唆した。

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共に民主党は12月4日未明、ユン大統領に対して辞任を要求した。

共に民主党のパク・チャンデ院内代表は同日、ユン大統領が非常戒厳解除の意向を明らかにした直後、記者団に対し、「戒厳を解除しても内乱罪を免れることはできない」と述べ、「もはやユン大統領は正常な国政運営ができないことが国民の前に明確に示された。即刻辞任せよ」と迫った。

祖国革新党のチョ・グク代表は「今回の非常戒厳はユン大統領の親衛勢力が引き起こしたクーデターに過ぎず、失敗したクーデターだ」と非難した。

またチョ代表は、ユン大統領やキム・ヨンヒョン国防長官らに向け、「彼らはすべて大韓民国の恥であり、民主主義の敵だ」とし、「これら全員を法の裁きにかけるべきだ」と述べた。さらに「これ以上看過できない。弾劾しなければならない」と強調し、「ユン大統領を内乱罪と軍事反乱罪の現行犯として逮捕すべきだ」と訴えた。

12月4日、国会で非常戒厳解除要求案可決。中央はイ・ジェミョン代表
(写真=AP/アフロ)12月4日、国会で非常戒厳解除要求案可決。中央はイ・ジェミョン代表

共に民主党や祖国革新党、進歩党、基本所得党、社会民主党の議員約40人が集まり、11月に発足した「ユン・ソンニョル弾劾国会議員連帯」もこの日、国会で記者会見を開き、「国政壟断(ろうだん)内乱の首魁であるユン・ソンニョルを弾劾しよう」と主張した。

連帯の共同代表である祖国革新党のファン・ウンハ院内代表は「大統領は軍を動員し、事実上内乱罪に該当する犯罪に手を出した」とし、「もはや一瞬たりとも大統領職に留めておけないことは明らかであるため、急ぎ弾劾訴追案を議決しなければならない」と述べた。

また、「各党が迅速に協議し、今日中に弾劾案を提出する」とし、「弾劾案提出後、24時間以降72時間以内にこれを可決する必要があるため、最速で弾劾案を可決し、大統領の職務を即座に停止させることに国会は集中すべきだ」と強調した。

もう一人の共同代表である共に民主党のパク・スヒョン議員も「『弾劾議員連帯』は初志を貫き、弾劾案を可決してユン大統領の職務を停止させ、新しい大韓民国を切り開く道を先導する」と述べた。

先立って、共に民主党のイ・ジェミョン代表は同日、非常戒厳解除要求決議案が可決された直後、国会本会議場前で記者会見を開き、「ユン大統領の戒厳令発令は憲法と戒厳法が定めた非常戒厳発令の実質的要件をまったく満たしておらず、違法かつ違憲である」と批判した。

イ・ジェミョン派の長老とされるチョン・ソンホ議員(共に民主党)は、自身のフェイスブックで「今日中にユン大統領は自ら辞任し罪を認めるべきだ」とし、「もし拒否するなら、怒り狂った国民の手で龍山(ヨンサン)から引きずり下ろされるのは時間の問題だ」と警告した。

一方、与党「国民の力」のハン・ドンフン代表は戒厳解除後、国会で記者団に対し、「今日の惨憺たる状況について、与党として国民に深く申し訳なく思う」と述べ、「このような事態が発生した経緯について詳細に調査し、必要な措置を取る」と述べた。

国民の力は午前7時に非公開最高委員会会議を、午前8時に議員総会を開催する予定だ。

(記事提供=時事ジャーナル)

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