韓国の与党「国民の力」の元代表である「改革新党」のイ・ジュンソク議員(39)が早い段階で大統領選出馬を示唆し、仮に早期大統領選が実施されれば主要な変数となる見通しだ。
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イ議員の出馬が保守層の票を分散させる可能性があるため、与党内ではイ議員との候補一本化が主要な争点として浮上するとの見方も出ている。
イ議員は2月2日、ソウル・麻浦(マポ)区の弘大(ホンデ)バスキングストリートで記者会見を開き、大統領選出馬の可能性を正式に表明した。
イ議員は「韓国も大胆に世代交代と政治構造の変革を進めるべきだ。政治の大きな変革を実現する」と述べ、先陣を切って行動する“ファーストペンギン”になることを宣言した。
彼は、「明確に大統領選出馬を宣言したのか」という取材陣の質問に対し、「大統領選が行われるなら、そのなかで役割を果たす」と答え、出馬の可能性を否定しなかった。
1985年3月31日生まれのイ議員は、今年の誕生日を迎えると大統領選出馬資格である満40歳に達する。
もし憲法裁判所が尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾を認めた場合、約2カ月後(60日以内)に大統領選が実施されるため、仮に弾劾が認められてもイ議員は大統領選当日までに出馬資格を得る可能性が高い。
現在、「改革新党」に所属するイ議員の出馬は、保守勢力のみならず、与野党双方にとっても負担となる可能性がある。
イ議員が中道層の支持を狙っているため、「国民の力」と最大野党「共に民主党」の双方が一定の中道票を失う可能性があるからだ。実際、記者会見でも「左右の古い政治勢力を過去のものとし、前に進むべきだ」という趣旨を強調した。
それでも、イ議員が「中道・保守」の価値を指向していることから、与党「国民の力」にとってはより大きな脅威となる可能性がある。20~30代の若年層を中心に、一部の保守支持層を抱えるイ議員が第3の候補として出馬すれば、与党の大統領選候補にとって十分に脅威となる。
そのため与党の大統領選候補のなかには、イ議員との候補一本化、改革新党との合党などの実現可能性が一種の公約となる可能性もある。
現在、「国民の力」の有力大統領候補として名前が挙がるオ・セフンソウル市長やホン・ジュンピョ大邱(テグ)市長は、イ議員と親交がある。
ある与党関係者は「イ議員を説得し、保守票の分散を防げる候補がいれば、党内予備選の過程で競争力を持つことになるだろう」と分析した。
すでに「国民の力」内では、イ議員に接近する動きが現れ始めている。
与党の大統領選候補とされるハン・ドンフン前代表の側近である、「国民の力」シン・ジホ前戦略企画副総長は2月3日、チャンネルAの番組『政治シグナル』のインタビューで、イ議員との「連携」の可能性に言及した。
シン前副総長は「もし早期大統領選が実施され、イ・ジュンソク議員が提唱する世代交代の流れが国民の力内にも現れるなら、共に連携できない理由はない」とし、「イ議員が本来の場所(=国民の力)に戻るときが近づいている」と発言した。
しかしイ議員は他の政党候補との候補一本化の可能性については、明確に否定している。
イ議員は弘大での記者会見で、「私は行くと決めたら最後まで行く」と述べ、選挙戦を完走する意志を示した。また、CBSのYouTube番組『質問する記者』とのインタビューでは、「(与党大統領選候補のうち)ハン・ドンフン前代表を除けば、私は彼らと個人的に縁があり、親しくしていたが、最近は政治的に私から遠ざかってしまったようで残念だ」と語った。
さらに、「これは今、戒厳令の問題だ。候補一本化などは考えていないが、彼らがもう少し明確な立場を示してくれれば、特定の事案について共通の立場を取ることもできるし、政策の共有も可能だろう。しかし、今はその距離があまりにも遠くなってしまった」と述べた。
イ議員と「国民の力」との不安定な関係は、2月3日にも改めて表面化した。
イ議員は同日午前、YTNラジオのインタビューで、クォン・ヨンセ非常対策委員長やクォン・ソンドン院内代表ら「国民の力」指導部が、ソウル拘置所に収監されている尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を面会したことについて言及した。
イ議員は「尹大統領が面会の場で、自身を赦免するよう求める発言をするだろう」と予想し、尹大統領が恩赦を求めるのではないかとの見方を示した。
これに対し、クォン・ヨンセ非常対策委員長はSNSでイ議員の発言を取り上げた記事を共有し、「人は自分の器の大きさの範囲でしか物事を考えられないものだ」と投稿し、イ議員の発言を批判した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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