韓国で最も人気を集めるガールズグループ「TWICE」が、6月28日にアルバム『#TWICE』をリリースし、日本で本格的な活動を始める。
メンバーの9人中、日本人メンバーが3人(モモ、サナ、ミナ)もいるだけに、日本進出は最初から予測されていたことだが、それにしても2015年10月のデビューからわずか1年半弱でそれを実現するのはすごい。
TWICEの活躍ぶりを最も簡単明瞭に要約すれば、「所属事務所・JYPエンターテインメントの売上を200%以上伸ばした」と言えるだろう。
2015年までアメリカや日本法人の赤字で戦々恐々していたJYPは2016年夏期から起死回生。その一手となったのが、TWICEの音源・アルバムの売上なのだ。
韓国が中国から“限韓令”などTHAAD配備に対する報復を受けているなか、韓国のアイドル界を制したTWICEの次の任務は、日本市場を突破すること。孤立無援に追い込まれた韓流の新たな救世主として熱い期待を背負っている。
ところが、TWICEが作り上げる韓流は、今までのものとは少し違う気がしてならない。
JYPエンターテインメントの代表を務めるパク・ジニョンは、約10年前にこんなことを言っていた。
「映画、歌などの文化商品から“韓流”という国家商標を剥がさなければいけない。これからは“韓国的”から離れ、韓国的性質を持たない様々な題材を盛り込まないと生き残れません」
TWICEは彼の言葉を最も充実に具現化できるグループである。というのも、様々な音楽ジャンルを混ぜ合わせた「カラーポップ(Color Pop)」という独自のジャンルを構築し、既存のK-POPとの差別化に成功。メンバー構成や作曲家などのスタッフにおいても、多国籍化を成し遂げているのだ。
どのK-POPアイドルよりも韓国的要素が少ないTWICEを、はたして“韓流”と言えるのか。TWICEが日本でやろうとしているのは、パク・ジニョンが10年前から思い描いた、“韓国的性質を持たない韓流”の実験かもしれない。
来たる6月、TWICEという新しい波の到来に注目してみよう。
前へ
次へ