日本のマンガは、今や世界中で愛される文化の一つになった。政府が力を入れている“クールジャパン戦略”が成功すれば、日本マンガファンはますます世界中で増えることだろう。
お隣・韓国では、日本のマンガが浸透して久しい。韓国マンガ市場で、日本のマンガの比率は約30%を占めている。それでも昔よりはかなり減った数字ということだが、現在も絶大的な支持を送るマニア層が存在するらしい。
例えば、1990年代には『スラムダンク』『ドラゴンボール』『金田一少年の事件簿』などが韓国の中高生の間で大人気を博した。特に『スラムダンク』は社会的ブームにもなったとか。
最近は、ジャンプ系マンガの人気が高い。特に『ONE PIECE』『NARUTO -ナルト-』『BLEACH』の3作品は、一時は通称「ワンナブル」(ワンピース+ナルト+ブリーチ)などと呼ばれ、マンガファンは大盛り上がりだった。
また、根強いファンが多いのは『名探偵コナン』や、あだち充作品など。
日本のマンガは売り上げランキングでも、韓国作家の作品を追い抜いて常に上位にランクインしているようだ。
女性ファンには『るろうに剣心』『彼氏彼女の事情』『花より男子』『君に届け』などが人気。とはいえ最近は、男女比率にもそれほど大きな差はないそうだ。
韓国では、昔から「マンガやアニメは子どもが見るもの」と広く認識されていたらしい。それこそ“有害物”として扱われた時期もあったとか。ところが、近年はマンガに対する認識もかなり変わってきているそうだ。
最近は「webtoon」というネット媒体のマンガが韓国のマンガ市場を引っ張っている。老若男女問わずスマホやPCでマンガを楽しむ時代が到来したのだ。2014年の統計によると、韓国最大級のポータルサイト「NAVER」にてwebtoonの連載を持った作家は360人を超える。他のサイトと合わせれば、その人数はもっと増えるはずだ。
それに比べ、“韓国マンガ家協会”に所属して紙媒体での活動を行うマンガ家は277人。規模だけを言うと、ネット媒体が紙媒体を追い越してしまった。
その上、韓国では“IT強国”の名に背かぬネット上での違法ダウンロードが盛んで、紙媒体のコミックスやマンガ雑誌の発行が年々減少。「そろそろマンガの紙媒体の時代は終わる」と言っても過言ではないのが現状だ。
マンガ市場の年間売り上げは約7400億ウォン(約700億円)といったレベルだが、そのうち50%は児童向けの学習マンガだという。
日々激変する韓国のマンガ市場。紙からネットへと移り変わっているが、日本のマンガ市場も同じ道をたどっていくのだろうか。
前へ
次へ