新人女優が自ら命を…韓国芸能界での“先行きの見えない不安”が原因か

2016年03月14日 話題
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韓国芸能界からは自殺者がたびたび出るが、2015年12月にも悲劇が起こってしまった。

自ら命を絶ったのは、女性タレントのカン・ドゥリ。1993年1月生まれの22歳で、2010年に国営放送KBSのドラマ『怪しい三兄弟』でデビュー。脇役ながら2012年には映画『タッチ』、2013年にはSBSドラマ『スキャンダル:とても衝撃的で不道徳な事件』にも出演した。2015年11月までは、KBSの学園ドラマ『不躾にゴーゴー』にも出演している。

そんな彼女の悲報が伝えられたのは、昨年12月14日。当初、死因は交通事故として報じられた。ところが、翌15日に事態は一変。仁川(インチョン)警察が、「死因は自殺と断定できる」と発表したのだ。

警察によると、12月14日午後4時過ぎにカン・ドゥリが暮らすオフィステルを訪ねた知人A氏から「彼女が部屋で息を引き取っている」との通報を受けて出動。警察の調べによると、A氏はカン・ドゥリから「最近とてもつらい」とのショートメールを受け取ったことが心配で彼女の部屋を訪ねた。しかし、鍵がかかっており、消防署の協力で鍵を壊して部屋の中に入ってみると、彼女が死んでいたというのだ。

警察は外部からの侵入者はなく、部屋に着火された練炭が見つかったことから、練炭自殺を図ったと断定。遺書はなかったという。

ネットに残されたカン・ドゥリの苦悩

ただ、彼女が悩み苦しんでいた証拠はネット上に残っていた。

彼女はネット放送局「AfreecaTV」で“ドゥリンイ”というニックネームを使ってBJ(ブロードキャスト・ジョッキー)としても活動していたが、最近はそのネット掲示板にこんな書き込みを残していたのである。 「最近、プライベートで悪いことがあまりにも多くてつらい。ドラマ(『不躾にゴーゴー』)が終わって好転していたはずだったのに、状況がさらに悪化して何ひとつ計画通りにいかない。(視聴しているみなさんには)本当に申し訳ない。それでも、心をしっかり持ち直して、再びみなさんのもとに帰ってくる。来週会いましょう」 ただ、彼女が「AfreecaTV」に戻ってくることはなく、これが最後のメッセージとなってしまったわけだ。

それにしても、なぜ彼女は自ら命を絶ってしまったのか? 一説によると、仕事が少ないことを思い悩んでいたのではないかとウワサされている。というのも、彼女は芸能事務所に所属していなかったのだ。事務所に所属していればマネジャーが番組出演や演技レッスンをお膳立てしてくれるが、彼女は自分で自分を売り込みながら、演技スクールにも通っていたようだ。

昨年9月には自身のTwitterで「多くの方々の応援のおかけで事がうまく運んでいる」とし、同12月には、とある芸能事務所と契約する予定であることも示唆していた。関係筋は、その契約が破談となり、タレントとして先行きが見えなくなってしまったことが、彼女を追い詰めたのではないかとみている。

彼女のように、韓国では仕事に恵まれない新人タレントや脇役俳優は多く、自ら命を絶ってしまうケースも少なくない。

2014年3月9日には、俳優ウ・ボンシクが自宅アパートで自殺した。 彼は1989年に芸能界デビューし、日本でもヒットした時代劇ドラマ『大祚榮』などにも出演。しかし、『大祚榮』以後、仕事に恵まれず、離婚。その後、うつ病となり、日雇い労働などをしながら生計を立てていたが、月50万ウォン(約5万円)の家賃の支払いにも窮していたという。

華やかな芸能界に飛び込むも、仕事に恵まれず先行き不安な現状に苦しみ、最後は自ら命を絶ってしまった2人。冥福を祈らずにはいられない。

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