日本でも人気の韓国女子ゴルフ界の“セクシークイーン”アン・シネ。
多くの日本メディアが注目するのは、そのファッションだ。「アン・シネ 華麗に日本デビュー 膝上30センチ!セクシークイーンに大フィーバー」(『デイリースポーツ』)と、初来日時は“ミニスカート”の丈の長さまでクローズアップされている具合だが、彼女がミススカートでプレーすることは決して珍しいことではない。韓国では数年前から当たり前のことだ。
なぜ、アン・シネはミニスカートでプレーするのか。その理由については、韓国ゴルフダイジェストの元副編集長の証言がひとつのヒントになるだろう。
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「アン・シネのファッションセンスは注目の的。以前、インタビューしたとき、“ウエストがゆったりしたものよりもタイトなもののほうが胸のラインがきれいに出る”、“試合のときはウェアのカラーマッチングに気を使う。頭から足元まで揃えたいタイプ。ただ、いろんな色をたくさん混ぜたりしない。あと、体がタイトに見えるものが好き”とも語っていました」
体に自信があり、タイトなゴルフウェアを好むアン・シネの趣向が垣間見ることができる証言だが、特筆すべきはアン・シネだけではなく、多くの韓国女子ゴルファーたちが好んでミニスカートを着用していることだろう。
“フェアウェイのバービ人形”パク・キョルや“ゴルフ界のおしゃれ番長”ヤン・スジン、“フィールドの妖精”キム・ジャヨンなどの“韓国美女ゴルファー神セブン”はもちろん、新進気鋭の若手から成熟プロまで、ミニスカ率がかなり高いのだ。
そもそも韓国女子ゴルフ界で“ミニスカ”の代名詞として有名だったのは、キム・ハヌルだった。
「さわやかに見えるように短いスカートをはいてみてはどうか」という父親の提案を受けてミススカート姿でプレーするようになった彼女は、韓国で“ミニスカ先駆者”とも言われているらしい。
また、多くのスポーツブランドは商品の企画段階から女子プロとインタビューし、その好みとプレースタイルに合わせたウェアをデザインしているという。
スポーツブランドがそこまで力を入れるのは、韓国のゴルフウェア市場の成長があるからだろう。2010年は1兆5000億ウォン(約1500億円)規模だったが、2015年基準で3兆ウォン(約3000億円)にも膨れ上がっているのだ。
それだけにブランド側も力を入れずにはいられない。例えばアン・シネはアディダス・コリアと契約しているが、その人気は凄まじく、かつては彼女が着たウェアは「次の日に品切れになるほど」(『毎日経済』)だとか。
ただ、彼女たちが“ミニスカート”にこだわるのは、単に契約メーカーの広告宣伝のためだけではないだろう。
「最近の韓国女子ゴルフ界は世代交代で20代前半が主流となり、彼女たちは自分の外見や露出回数にも気を使う。それが個人スポンサー獲得にもなるから。企業も、人気選手とのラウンド接待をして顧客サービスしたいのでルックスの良い選手は引っ張りだこだ」
これは韓国のスポーツ新聞でゴルフを担当するベテラン記者の言葉だが、韓国の女子ゴルファーたちにとって、“ミニスカート”は絶好のアピール方法なのだ。
最近は韓国で「ポスト アン・シネ」として呼び声が高い“次世代セクシーゴルファー”ユ・ヒョンジュが、アン・シネも圧巻の超絶ミニスカート姿を披露して話題になった。
女子ゴルファーたちにとって、ゴルフウェアはプレーに集中できるといった機能性はもちろん、ファンやギャラリーたちを魅了する武器にもなる。目立つことでニュースになって話題になれば、自らの宣伝効果にもつながる。その手段としての“ミニスカート”だというのだ。
そうした戦略があるどうかは定かではないが、今でも多くのメディアに取り上げられたのだ。自己アピールと宣伝効果という点ではアン・シネの“ミニスカート”は一定の成功を収めたと言えるだろう。あとは成績だけだ。
(文=慎 武宏)
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