“韓国女子ゴルフ界の美しき妖精”キム・ジャヨンが語ったニッポン【思い出インタビュー】

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韓国でも人気の女子プロゴルファー、キム・ジャヨン。韓国ではユン・チェヨンやアン・シネらとともに“KLPGA広報モデル”を長く務め、美しいドレス姿を披露して話題になったこともある人気者だ。

一時はイ・ボミやキム・ハヌルを凌ぐほどの人気を誇った美女ゴルファーに、2017年夏、インタビューできる機会に恵まれ、こんな話を聞いたことがあった。

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「本当は今年の日本女子プロゴルフツアーのQT(クォリファイングトーナメント)を受ける予定だったんです。申請も済ませ、準備も進めていたのですが、ファーストQTの日程と『ハンファ金融クラシック』の日程が重なってしまって、今年は受験を断念することになったんです」

キム・ジャヨンも日本ツアー進出を検討している。ある程度は予想したが、キム・ジャヨンも日本進出を真剣に検討しているという告白にちょっぴり驚かずにはいられなかった。

キム・ジャヨン(撮影=KANG MYUNG HO)

というのも、キム・ジャヨンはその美貌に加え、スレンダーでモデルのようなスタイルから“フィールドの妖精”と言われた人気者だ。2012年にはKLPGAツアーで3勝を飾っている。“氷の姫”という別名もあったが、名実ともに“ライジングスター”だった。

ちなみにこの2012年には『サマンサタバサ・ガールズコレクション・レディストーナメント』に招待出場し、日本ツアーデビューも果たしている。

彼女を単独インタビューするはそのときが最初で、2014年春には済州道(チェジュド)で日本の週刊誌のグラビア撮影にも付き合ってもらったが、「日本でプレーしたい気持ちがある」と語ったのは、このときが初めてだったのだ。

「そうでしたね。5年前や3年前は、まだ“海外でのプレー”に現実味を持たなかった自分がいました。

例えばアメリカでプレーする自分をイメージしたとき、“体力的に厳しいだろうな”という考えがあったし、日本でプレーするとしても、家族に日常的に指導を受けるコーチとも離れることになる。そういったさまざまな心配事が脳裏を過り、海外進出について億劫になっている自分がいました。

ただ、今は違います。少なくとも、日本に関しては良いイメージがある。それはやっぱり、すでに日本で活躍している先輩たちの存在が大きいですね」

聞けばキム・ジャヨンは、イ・ボミ、キム・ハヌルといったすでに日本で大活躍している韓国女子プロゴルファーたちから、日本に関するさまざまな話を聞いていたらしい。助言やアドバイスもあれば、日本のゴルフ環境に関することも多いらしい。

「先輩たちの話を聞いていると、自分も日本でチャレンジしてみたいと思えてくるんです」と言っていたキム・ジャヨン。また、このときの取材では日本人選手との意外な交流も明かしてくれた。

「以前、シーズン前のキャンプで一緒に練習した日本人選手がいるんですよ。くわ(桑の旧字体)原えりか選手です。彼女とはキャンプ先で一緒になって、とても仲良くさせてもらいました。一緒に練習して、おしゃべりもして。電話番号も交換し、その後もカカオトークなどで互いに連絡を取り合ったり…。最近はあまりできていませんが、ぜひまた一緒にゴルフがしたいです」

そんなキム・ジャヨンの目に、日本の女子プロゴルファーたちはどう映るのだろうか。実際に日本でもプレーした経験(2012年の『サマンサタバサ・ガールズコレクション・レディストーナメント』に招待出場)や、韓国でテレビ中継される日本の女子ゴルフツアーを見た感想として、こんなことを言っていた。

「日本の女子プロたちのファッションは、韓国とはちょっと異なりますよね。日本の選手たちはハイソックスを着用している選手が多いですし、サンバイザーを被っている選手が多い印象です。ファッションも違えば、日焼け止めやメイクの雰囲気も韓国とはちょっと違う。同じアジア人として似ているようで、どこか違うから面白いですよね」

たしかにその通りかもしれない。韓国の女子ゴルファーたちのファッションやメイクはどこか日本と異なる。それどころか本欄でも紹介し韓国でも「“ポスト”アン・シネ」として呼び声が高い“次世代セクシーゴルファー”ユ・ヒョンジュなどは、ファッションもメイクも個性的だ。マインドも考え方もかなりオープンで、東洋的な価値観よりも欧米的な価値観すら感じさせる。

ただ、日本文化への好奇心は旺盛で親近感を抱いている選手は多い。以前、アン・シネに日本文化について尋ねたとき、「宇多田ヒカル」の名前が出てきた驚いたことがあるが、キム・ジャヨンの口からも思いがけない名詞が次々と飛び出した。

「日本の文化、特にアニメが大好きなんです。具体的には宮崎駿監督の作品。『崖の上のポニョ』は私の中でトップ3に入る作品ですね。最近ですと、劇場まで足を運んで『君の名は。』も観ました。アニメの世界ですが、文化交流を通じて日本という国を知るきっかけにもなっていますよね」

そう言ったのは2017年。あれから4年が経った今年2021年、キム・ジャヨンはツアー生活を一旦休止することを宣言。今年はゴルフレッスン番組などでティーチングを披露している。いつかまた、彼女の姿をツアーで見られる日が来ることを期待したい。

(文=慎 武宏)

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