韓国の“NO.1チアリーダー”、“国民チアリーダー”と呼ばれるパク・キリャン。その美しい外見も少なくない影響を与えているだろう。美しさを保つために、何か努力しているのだろうか。
「努力…ですか。うーん、強いて言えば、日差しをたくさん浴びるので家に帰ったらパックをつけるようにしています。あと、食事はたくさんとるようにしています。試合が終わって帰宅すると夜12時近くになるので、本当は食べたらいけないでしょう? でも食べてしまう(笑)。ラーメンを食べてご飯まで…。もっと若かった頃はいくら食べても太らなかったのに、最近はちょっとお肉がつきやすくなってきているので、気をつけないとですね」
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そんな軽口を叩きながらも、パク・キリャンは人気の理由について真面目に答えてくれた。
「多分、一番人気のあるチームに長くいることが理由だと思います。チアリーダーはチームを移すことも多いのですが、私は2009年からロッテ・ジャイアンツにいて、もう8年目になります。一つのチームで3年やれば、お客さんも覚えてくれてファンもできる。ファンの方々が“この子は私たちのチームの一員だ”と家族のように思ってくれるんです。私はその倍以上もいるわけですから。そう考えると、ロッテ・ジャイアンツと出会ったことが、本当に幸運だったと思います」
パク・キリャンの活動は、チアリーダーにとどまらない。
化粧品ブランド「Essild」のモデルをはじめ、様々なCMにも出演している。チアリーダーがそういった活動をした前例はない。最近は歌や演技の練習もしているそうだ。
「小さい頃の夢は歌手でした。芸能人にも憧れていました。でも、小さい頃は芸能人になれるのはソウルの人だけと思っていた。チャレンジ自体をしなかったんです。でも今、この仕事をしながらいろんなことを経験していると、本当に学ぶことが多いんです。だから、若いうちに、もっといろいろ学んでみようと。それで歌も練習して、6月17日にはミニアルバムも出すんですよ」
チアリーダーがミニアルバムを出すとは異例だが、夢を語る彼女の目は輝く。
「いろんなジャンルの曲が入っていますよ。バラードもありますし、ダンスミュージックや球場で流れる応援曲も入っています。1年くらい準備してきました。どんな反応があるか今からドキドキしています。多分、なぜチアリーダーが歌を出すのかという批判も受けると思います。“芸能人気取りか”という声もあるかもしれない。自分自身、どんなインタビューでも“チアリーダーをずっとやりたいし芸能人にはなりたくない”と話してきましたしね(笑)。でも、いいんです」
誰もやってこなかったことをやるパイオニアにリスクはつきもの。
それはパク・キリャンが誰よりも知っている。彼女が批判の声も受け入れる覚悟があるのは、確固たる信念があるからだ。
「やろうと決心したのは、チアリーダーの後輩たちに新しい道を見せることができると思ったから。本当に才能のあるチアリーダーが多いんです。でも、今までは機会がなくて、新しい道を探せませんでした。彼女たちにそういう道を切り開きたい。私がチアリーダーを辞めるときまでに、すべてのチアリーダーが安定した給料をもらえるようするのが目標なんです。やれるときに、なんでもやろうと思っています」
想像したくもないことだが、いつかパク・キリャンもチアリーダーをやめる日が来るだろう。いつまでチアリーダーを続けるのか、率直に聞いてみた。
「そういう質問をされたときは、“ロッテ・ジャイアンツが優勝するまで”と答えています。するとファンの方たちは“じゃあ、おばあちゃんになるまで辞められないね”って言ってくる(笑)」
ファンが自嘲しているように、ロッテ・ジャイアンツの成績は芳しくない。
優勝したのは1984年と1992年の2度で、ここ最近のシーズン成績は10チーム中、2013年5位、2014年7位、2015年8位。今シーズンも6月15日現在、7位だ。それでもパク・キリャンは優勝を本気で目指している。
「今シーズンもいよいよ中盤になったので、試合に勝って、なんとかプレーオフに進出したいです。毎年、“今年こそ優勝する”と本気で信じています。絶対に優勝するところは見たいじゃないですか。いろんな活動もありますが、優先順位はチアリーダーが一番。これからもいろんな人に球場に足を運んでほしい。そして一緒に応援していただけたら、うれしいです」
ロッテ・ジャイアンツのチアリーダーになって8年。それはそのままパイオニアとして歩んできた道のりだろう。パク・キリャンの夢は、果てしなく広がる。(了)
文=呉 承鎬
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