“球場の華”と呼ばれるチアリーダーたち。韓国の意外な「お金の事情」とは?

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一般社団法人プロファッショナルチアリーティング協会をご存じだろうか。実は筆者も最近その存在を知ったのだが、2010年に設立された組織だという。

プロフェッショナルチアリーダーの普及・育成・教育、チアスピリットの普及などを目的にしており、同協会が運営する“オールスタープロチアリーダース”は、各種スポーツイベントでパフォーマンスを披露したり、メディア出演したり、ボランティア活動なども行っているという。

その存在を知ったとき、韓国でも同じような団体があればと思った。

人気チアリーダーたちが大活躍!!

というのも、韓国でも多くのスポーツでチアリーダーたちが活躍しているからだ。

特に韓国プロ野球ではチアリーダーたちが“球場の華”とされ、各球団のチアリーダーたちは、試合のたびに球場を盛り上げているだけではなく、球場の“外”でもさまざまな方法でプロ野球界を活気付けている。

実際にロッテ・ジャイアンツには、No.1チアリーダーとされるパク・キリャンをはじめ、アイドル顔負けの人気チアが多い。

他にも各種バラエティ番組やCM出演などをするチアもおり、まさに“チアリーダー天国”といえる韓国だが、その分チアリーダー業界の競争は激しい。

人気チアリーダーが好条件を提示する他のチームに移籍することも少なくなく、その“移籍”事情はメディアでも取り上げられるほど。

とはいえ、そのようなスター扱いを受けられるチアリーダーはほんの一握りで、安定した職業とは言い難いのが現状だ。

意外に厳しい懐事情…

前出のパク・キリャンは、以前インタビューをした際、こんなことを話していた。

「チアリーダーの給料は、経歴によって変わります。私はチーム長なので、月給を受け取るかたちです。よく誤解されるのですが、私の給料は一般的なサラリーマンと同じくらい。他の人はもっと低いと思います。それどころか、アルバイトのように1試合いくらという人も少なくないんです」

正確な数字は明らかになっていないが、給与は月100万ウォン~250万ウォン(約10万円~25万円)ほどで、賃金水準はここ10年でほとんど変動がないとか。

それでも球団やイベント会社と月給契約できる者は、まだ幸せなほうだという。単発出演の新人チアリーダーの日当は、多くても10~15万ウォン(約1万~1万5000円)にしかならないそうだ。

パク・キリャンはチアリーダーの待遇改善のために、「チアリーダー協会設立を推進しています。勤務環境の改善と、後輩育成が目的」と抱負を語ったりもした。

そんな彼女に、日本の一般社団法人プロファッショナルチアリーティング協会や“オールスタープロチアリーダース”の存在を教えてあげれば、きっと何かのヒントになるかもしれない。そう思った。

華やかな外見とは違い、苦労の多い韓国のチアリーダーたち。

いずれにしても、韓国でもチアリーダーたちの存在感が増している今日この頃。ファンとチアリーダーが一体となる応援文化は、韓国プロ野球の醍醐味のひとつになっている。

(文=慎 武宏)

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