フィギュアスケートでは金メダル候補にドーピング問題が浮上し、スキージャンプでは有力選手の中から失格者が続出する異例の事態に。他にも“疑惑の判定”が多数出ており、複数の競技で議論を呼ぶ展開となっている。
選手たちの頑張りを台無しにするような状況が相次ぐことから、オリンピック視聴者の中には怒りの声を上げる人も多い。
【注目】「最も静かにすべき国」北京五輪ショートトラックで“疑惑の金”と報じた韓国メディアを中国が非難
そうした状況は日本だけではなく、お隣・韓国でも同様だ。
2月7日午後、北京五輪ショートトラック男子1000mの準決勝で、韓国のエースであるファン・デホンは1位でフィニッシュラインを通過したが、その後のビデオ判定でレーン変更の反則があったとして失格処分に。中国の2選手が決勝に進出した。この判定を巡り、韓国メディアは猛烈批判を展開。韓国選手団はボイコットはしない考えを示したものの、国際オリンピック委員会と国際スケート連盟に抗議文を送付した。
全面的に批判姿勢を見せる韓国サイドだが、とあるメディアの怒りは尋常ではなく、韓国内で大きな注目を集めている。
思わぬ話題を集めたのは『ソウル新聞』の記事だ。同日22時17分にオンラインサイトやポータルサイトに掲載された。
記事タイトルは、「ただ中国がメダルをすべて持っていこうとする。ただ中国がメダルをすべて持っていこうとする」というもの。2度繰り返しているのは誤字ではなく、記事タイトルに原文だ。
また、本文にも記者の怒りが噴出していて、「開催国の中国がメダルをすべて持っていこうとしている」というフレーズだけがコピペのように繰り返されたのだ。
この記事は22時21分に一度修正されたと記録されているが、修正後も文章はそのままだった。
同記事は同日22時40分頃に削除された。しかし、たった20分ほどの掲載にもかかわらず、4万以上の「いいね!」と3000件以上のコメントを集めたのだ。
記事へのコメントでは、「この記事をオススメします」「今年見た記事でもっとも心が震えた」「私たちの言いたいことをストレートに伝えてくれている」など、好感の声が多く上がった。
この記事のバズり具合の影響で、一時は『ソウル新聞』ホームページがダウンしたりもした。『ソウル新聞』ホームページには「システムチェック中です。接続者数が多く、ページが正常に見えていません」という案内文が公開された。
一方で「いくら中国の判定に怒っていても、このような記事を上げるのはジャーナリズムの原則に反する」という指摘も出ている。
すぐに削除されたことから、その記事はミスであった可能性が高いが、大きな注目を集めたことも事実。この記事ほどではないにせよ、今後は怒りの報道が出ないクリーンな競技が続くことを願うばかりだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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