新型コロナウイルスの脅威を乗り越えた韓国だが、全国の農民たちは苦しい状況に追いやられている。それが、春から始まった干ばつの長期化だ。
韓国の気象庁によると、6月11日までの今年の全国累計降水量は196.2ミリメートルで、平年の57%ほどにとどまっている。川の水も干上がっているため、漁獲量も昨年から20~30%減に落ち込んだ。また水不足から水面に沈んでいたゴミも大量に現れて、釣り人が捨てていったテントやビニールなどが散見されるようになったという。
こうした干ばつ被害が、とあるアーティストへの非難へとつながっているそうだ。
ターゲットとなったのは、『江南(カンナム)スタイル』で日本でも知られる人気歌手PSY(サイ)のサマーコンサートだ。
PSYのコンサートでは会場中に水をまき散らし、ずぶ濡れになりながらライブを楽しめる。熱い気候のなかでかなりの好評なイベントだ。しかし深刻な干ばつを迎えている今は、タイミングが悪すぎる。実際にPSY本人がラジオ番組に出演した際、「コンサート会場に水道や散水車も動員する」「水道代がたくさんかかる」と話したことがあり、それも炎上の火種となった。
韓国のオンライン上では「農家は水がなくて危機を迎えるているが、一方では遊びで水を浪費している」「環境に優しい時代に何を考えているのだろう」「芸能人のパフォーマンスだとしても今のタイミングは適切ではない」など、批判の声が多く上がった。
しかし、なかには「何でも批判すればいいと思う偽善者が多すぎる。PSYのせいで干ばつが起きたわけではないだろうに」など、行き過ぎたバッシングに警鐘を鳴らす人たちもいた。
干ばつの長期化は誰のせいでもないが、国民感情を逆なでするのは得策とはいえない。PSYにはぜひとも代替案を準備してほしいものだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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