映画『そして、父になる』『万引き家族』など、数多くの名作を世に送り出してきた“日本の巨匠”、そして韓国の映画ファンから支持される是枝裕和監督の「韓国進出」のニュースは、撮影前から話題を呼んでいた。
『ベイビー・ブローカー』は、子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを預ける“赤ちゃんポスト”を通じて出会った人たちの人間模様を描いた物語だ。
映画『パラサイト半地下の家族』にも出演した名優ソン・ガンホをはじめ、カン・ドンホ、ぺ・ドゥナ、イ・ジウン(IU)など、“超豪華”な顔ぶれに多くの映画ファンが驚いた。
『ベイビー・ブローカー』は今年の「第75回カンヌ国際映画祭」エキュメニカル審査員賞を受賞、さらに、ソン・ガンホはこの作品で韓国人俳優初と男優賞を受賞している。
オール韓国ロケ制作の映画も
また、辞書制作の人々を描いた『舟を編む』(2013年)、最果タヒの詩集を映画化した『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017年)などを手がけてきた石井裕也監督は、映画『アジアの天使』(2021年) でオール韓国ロケを敢行した。
同作は、シングルファーザーとなった主人公・青木が息子を連れて、韓国・ソウルに住む兄の元へやってくる。そんな彼らが、ひょんなことから出会った韓国人の兄、姉、妹の3人に出会い、動き出す人間ドラマだ。
実力派俳優の池松壮亮やオダギリジョーに加え、韓国の俳優キム・ミンジェ、チェ・ヒソ、キム・イェウンも出演し、その存在感を発揮した。監督は、ほぼ全員韓国人のスタッフと綿密にコミュニケーションをとりながら、作品を完成させていったという。
日本と韓国の協業はより良い作品の誕生だけでなく、日韓映画界をつなぐ架け橋となるに違いない。
(文=サーチコリアニュース編集部A)
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