源田は去る10日、東京ドームで行われた1次ラウンド・プールB第2戦の韓国戦で負傷した。3点ビハインドで迎えた3回無死二塁の場面で、相手投手キム・グァンヒョンの牽制にヘッドスライディングで帰塁した際、右手の小指を痛めた。当時は負傷治療のため、一時的に試合が中断したこともあった。
その後、源田の小指は折れていることがわかったという。1次ラウンド残りのチェコ戦、オーストラリア戦はいずれも欠場したが、侍ジャパンは代替選手を招集せず、源田をチームに残すことを決めた。
WBCの規定では、負傷選手が発生した場合は予備名簿にある別の選手に交代できた。ただ、侍ジャパンのコーチ陣は源田の守備力を高く評価し、選手交代は考えていないことを語っていた。
結局、源田は骨折した右手小指にテーピングで施し、固定させた状態で正遊撃手の位置に復帰した。打撃時は手袋の小指部分をカットし、テーピングを巻いた小指がむき出しの状態で打席に立った。
源田を変えられなかった理由は、彼が侍ジャパン内野陣の中核を担う選手だったからだ。
守備力は日本国内でトップクラス。同じ遊撃手の坂本勇人(読売ジャイアンツ)はプライベートの問題などで代表に合流できず、源田の存在感がさらに光った。
大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)は準決勝メキシコ戦のサヨナラ勝ち後のインタビューで、負傷にも関わらず出場を続ける源田の“闘魂”に真っ先に言及した。
源田は準々決勝、準決勝、決勝の3試合すべてで「8番・遊撃手」として先発出場した。トップクラスの守備はもちろん、攻撃面でも派手ではないながらも根気よく、緻密な作戦で走塁プレーに優れる一面を見せた。
韓国戦を振り返ると、源田はキム・グァンヒョンとの対決で2ストライクを先行しながらも、粘り強いファウルの末8球目で四球を選んだ。続けて二塁への盗塁も成功させ、キム・グァンヒョンを揺さぶった。回が始まる前は3点ビハインドだった点差も、同回が終わってみれば4-3と侍ジャパンが逆転。結果的に13-4の大勝となった。
メキシコとの準決勝では、8回無死一、二塁のチャンスで2ボールから2度のバントファウルで追い込まれるも、5球目にスリーバントを成功させた。その後、代打の山川穂高(西武ライオンズ)の犠牲フライで1点を加え、最終的に6-5でサヨナラ勝ちした。
アメリカとの決勝では、1-1の同点で迎えた2回一死一塁で左前安打を放ち、一、二塁のチャンスにつなげた。直後、日本は一死満塁からラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)の一ゴロの間に1点を加え、2-1の逆転に成功した。
また、6回二死二塁では落ち着いて四球を選び、再び出塁した。
そして、3-2でリードした9回の守備では、無死一塁からムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)の二ゴロの際に二塁手からの送球を受け、滑らかなフットワークで二塁ベースを踏んで一塁へ投げ、併殺プレーを成功させた。
源田のプレーを見る限り、指の骨折はまったく影響を受けていないようだった。怪我をしてもくじけない彼の熱い闘魂が、侍ジャパンのチームメイトたちをさらに強く勇気づけたはずだ。
(記事提供=OSEN)