バウアーは前日の1日、自身のSNSを通じてサイン会開催を予告した。DeNA2軍球場の横須賀スタジアムで12時15分から30分までサイン会を行うと発表した後、「ぜひ会いに来てください」と綴った。
バウアーが告知した当時は、サイン会が始まる時刻から1時間も残っていない時点だった。にもかかわらず、サイン会には100人以上のファンが訪れ、バウアーにサインをもらったり、記念写真を撮ったりして熱い人気ぶりを見せていた。
サイン会後、バウアーは「急なお知らせだったにもかかわらず、100人以上のファンの方が来てくれました。ありがとうございます。皆さんにお会いできて良かったです」とし、「明日(2日)も正午から先着200人にサインをさせていただきます」と伝えていた。
それとともに、「来られない方も、トレバー・バウアー公式ファンクラブに入っていただけると、今後たくさんお会いできる機会があると思います」と、ファンクラブ加入への誘導を直接行っていた。
バウアーの公式ファンクラブは球団初の選手個人のファンクラブで、年会費は「DELUXE」が33万円、「VIP」がなんと220万円に上る。会員は特別ラウンジで試合を観戦できるほか、バウアーのサイン入りユニホームやサインボールなど、さまざまな特典が付与される。
メジャーリーグのスター出身らしく、惜しみないファンサービスは拍手を受けるに値するが、一方で好意的ではない視線も存在する。
去る3月14日にDeNAと1年400万ドル契約を結んだバウアーは、同月24日の入団記者会見で4月中旬のデビューに自身を示していた。
ところが、わずか数日後の26日に右肩の張りを訴え、シーズン準備にブレーキがかかった。当然、2軍での実戦登板も見送られた。リハビリ組には入らなかったが、コンディション調整をするにとどまっている。
これに対しファンの間では、「サイン会も良いが、早く投げる姿を見たい」と不満の声も出ていた。
バウアーは2012年にメジャーリーグ・デビューした後、2021年までアリゾナ・ダイヤモンドバックス、クリーブランド・インディアンス(現クリーブランド・ガーディアンズ)、シンシナティ・レッズ、ロサンゼルス・ドジャースと渡り歩き、通算10シーズンで222試合(212試合先発)に登板、83勝69敗、防御率3.79、1416奪三振を記録したトップクラスの投手だ。
ただ、実力こそ優れているものの個性が強く、どう転ぶかわからない突出的な行動で大小の議論を起こしてきた。
実際、レッズ時代の2020年にサイ・ヤング賞を受賞し、翌2021年にドジャースと3年1億200万ドルで契約を結んだが、同年6月に女性への性的暴行の疑いで告訴された。これでメジャーでのキャリアが途絶えることになった。
結局、証拠不十分で嫌疑なしの処分を受け、メジャーからの懲戒も控訴を経て324試合の出場停止処分が194試合に軽減された。
しかし、騒動の後も反省の色が見えない姿に失望したドジャースは、今年1月にバウアーを放出した。その後、メジャーのどの球団も獲得に動かなかったため、最終的に日本に渡ることになった。
(記事提供=OSEN)