ロドリゲスは去る4月27日(日本時間)、自身のSNSに中日でのプレー写真を掲載し、「私にとって美しい思い出だ。3年間、中日投手として応援してくれたすべてのファンに感謝の言葉を伝えたい。突然契約を破棄したことについて謝罪する」と伝えた。
続けて、「メジャーリーグでプレーしたいという自分の夢に従うことにした。不幸にも、キューバでは成し遂げられないことだ。これまでそうだったように、常に野球に対する情熱と信念、自己統率力を持っていれば、その夢を叶えることができると信じている」と挑戦の意志を示した。
ロドリゲスは今年2月に中日と年俸2億円で2年の再契約を結んだ後、キューバ代表の一員で2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場し、チームのベスト4進出に貢献した。
決勝進出に失敗してキューバに一時帰国した後、当初は3月29日に日本に入国する予定だったが、予定されていた飛行機にロドリゲスは乗っていなかった。
その後、中南米の野球に詳しい全米野球記者協会(BBWAA)所属のフランシス・ロメロ記者を通じて、メジャーリーグ進出を目標に亡命した事実が伝えられ、中日を当惑させた。
シーズン開幕直前に亡命したことも荒唐無稽だが、ロドリゲスは球団に連絡一つもしなかった。今月初めには、ドミニカ共和国で個人練習中の映像がロメロ記者を通じて公開されたりもした。
そして、一歩遅れてSNSで近況を知らせたロドリゲスはファンに謝罪し、球団にも連絡を取った。中日側は本人に復帰の意思を確認するも、ロドリゲスのメジャー挑戦の意志は確固たるものだったという。
ただ、中日もロドリゲスの身分をそう自由には解除しない雰囲気だ。実際、中日側はロドリゲスとの契約を破棄しておらず、キューバ政府と相談して動くという球団の立場を明らかにしている。
日本でプレーするキューバ国籍の選手たちは、キューバ政府の承認を得て契約が行われる。
キューバ野球連盟はロドリゲスに1000万ドルの違約金を請求したという。ロドリゲスがこれを甘受すれば、身分の問題は解決する可能性が高い。
ロドリゲスは中日との関係を整理しなければ、自身の夢であるメジャーへの進出も遅れる可能性が高い。
過去にも日本球団との契約を破棄し、亡命後にメジャーへ進出したキューバ出身選手はいたが、ロドリゲスのように1軍の主力選手がシーズン開幕目前に連絡を絶ち、消えたケースはなかった。これでは“不敬罪”が適用されざるを得ない。
ロドリゲスをめぐる悪材料のなかで中日は不振に苦しみ、序盤から下位に沈んでいる。
中日ファンはロドリゲスの謝罪に対し、「夢を追うことは自由だが契約違反だ。絶対に受け入れてはならない」「キューバの情勢は理解するが、契約破棄に対しては厳しく対応する必要がある」「謝罪で終わる話でも、夢だからと言って美化されるものでもない」「中日のプランが外れた。それに相応する賠償を要求しなければならない」など、批判的な反応を主に示していた。
ロドリゲスは中日に在籍した通算3年間で97試合(175.1回)10勝10敗39ホールド、防御率3.03、188奪三振を記録した。
特に、先発から中継ぎに転向した昨季は最速161kmの剛速球を駆使し、56試合(54.2回)6勝2敗39ホールド、防御率1.15、60奪三振と活躍し、最優秀中継ぎ投手に輝いていた。
(記事提供=OSEN)