「神スイング」「始球式の女王」と呼ばれた稲村亜美の現状に、韓国も注目している。
一時、日本球界のシンデレラとして君臨し、始球式に呼ばれるタレントとして人気を博した稲村。そんな彼女が野球人生の岐路に立っている。
6月6日、日本メディアの『NEWSポストセブン』は稲村の現状を報じた。この記事では、彼女がこれまで歩んできたキャリア、そして現状を紹介している。そして翌日には、韓国メディア『OSEN』が「始球女神の夢…全球団登板は霧散か」と題して、稲村の現状を韓国で報じた。
稲村はとある1本のテレビCMで一躍スターになった。2016年に制作された世界的な自動車ブランドT社のCMだ。
都市のあちこちで繰り広げられるプレイシーンをオムニバス形式でまとめたコンセプトで、専業主婦、事務員、アルバイト生、工場労働者などが投げて、打って、走るカットで構成された。
稲村は最後に登場する。短いツーピース姿のオフィスルックで出てきては、豪快なスイングでバレル打球を作り出した。これが「神のスイング」と呼ばれ、全国的な話題を呼んだ。
実際、稲村は中学生まで野球選手として活動した前歴がある。
その後、複数のチームに招待され、始球式でたびたび活躍してきた。NPB公式戦だけで14回も出場した。
173cmの高い身長から突き刺すパワーピッチングが逸品だ。マウンドに上がり、特有のハイキックと華麗なワインドアップで捕手めがけて銃弾のようなストレートを投じる。
ノーバウンドは基本であり、そのほとんどがストライクゾーンに飛ぶ。これまで記録された最高球速は時速105キロに達する。
グラビアモデル出身らしく、すらりとした体格を備えている。投球は常に18.44メートルで行われ、実際にピッチャープレートを踏んで投球を行う。
始球式が終わった後には、散らばったマウンドの土を素手ではらい、均等に伸ばして退場する。 ファンが感動するもう一つのポイントだ。
ただ、2019年から登板回数が減り始めると、ついに新型コロナウイルス感染症のパンデミックになって絶壁となった。
2021年5月の千葉ロッテマリーンズ対東北楽天ゴールデンイーグルス戦が最後だ。当時も球速が95キロに急減し、しかもワンバウンド投球だった。ファンも「稲村もイップスにかかったようだ」と心配する表情だった。
そんな稲村は、2022年から男女混合5人制の手打ち野球「ベースボール・ファイブ」でプレーしている。所属チームの東京ヴェルディ・バンバータは昨季優勝した。
野球のほかにもゴルフ、マラソン、サイクル競技に出場しており、テレビバラエティ番組のMCとしても活動している。
韓国にも相当なファンダムを持つ。2018年には蚕室(チャムシル)球場を訪問し、LGツインズで始球式を務めるユン・ボミにコーチングを行った。当時、稲村は 「ワインドアップ後の重心が早すぎる。 キーキング後、しばらく止まる動作をするように」と助言した。
当時、試合を中継したチョン・ミンチョル解説委員は、「(ユン・ボミが)一度教えてくれたことをそのまま真似する。 リュ・ヒョンジン級の習得能力を備えている」というアドリブを飛ばしていた。
(記事提供=OSEN)
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