以前から「教権低下」が嘆かれる韓国では、教師たちの苦悩の声が多く聞こえている。
最近では教員を対象とした告訴・告発が過去5年間で1万2000件に達したという結果も出た。そのほとんどが、児童虐待処罰法違反などだという。
7月31日、ソウル市教育庁は「教員対象法律紛争事例分析及び教育庁支援案」と題した政策研究報告書を発表した。
裁判所図書館の判決文訪問閲覧やインターネット判決文閲覧を通じて、2018~2022年の間に教員を対象とした法律紛争を調査した結果、なんと合計1188件の法律紛争が発生していたという。
このうち、71.6%(851件)が刑事事件で大部分を占め、民事事件(21.8%)の3.3倍、行政事件(6.6%)の11倍に達した。
教員を対象とした刑事事件の種類では、児童虐待と性犯罪関連法違反が最も多かった。
また、1770人を対象とした別件のアンケート調査では、51人(2.9%)が在職中に法律紛争を経験したと答えている。
さらに、51人中11人が「2件以上の法律紛争を経験した」と答え、法律紛争の総件数は73件だった。
そのうち、親が提起した訴訟が約半数の36件(49.3%)で最も多かった。
また、訴訟結果が明らかになった42件のうち、教師が無罪などで勝訴したケースが26件で半分を超えている。
こうした結果に、韓国国内では「教育改革は急務だ」「児童虐待法教師は論外だ。教職に就く前にしっかりと人物を見極めることが必要。そうすることで教師へのフォローができる」「学校ごとに専任の弁護士を手配すべき」など、さまざまな意見が挙がっていた。
このようなトラブルが続出する教職なだけに、教育世論調査では人気低下が数字に現れている。
2012年には76.3%が「子どもが教師になること」に肯定的だったのだが、2023年には56.4%にまで低下している。
韓国の教権低下は、教職人気の下降にも大きな影響を与えている。あまりにトラブル続きでは次第に教師もいなくなってしまう。改善することを祈るばかりだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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