韓国の江原(カンウォン)特別自治道シン・ギョンホ教育監と全国教職員労働組合・江原支部の組合員との物理的な衝突により、シン教育監をはじめとする数人が病院で治療を受ける事態となったなか、道教育庁と全教組・江原支部が「相手のせいだ」と非難の応酬を繰り広げている。
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道教育庁は11月1日、声明を通じて「(当時学校で群衆の)後方にいた組合員の1人がA幹部の背中を手で押した際、教育監も一緒に倒れた」とし、「教育首長に対する物理的な暴力行為に対し、強い遺憾の意を表明する」と述べた。
さらに「学生が見守るなかで暴力を行使することは、教育者としての責任と倫理を逸脱する行為であり、どのような状況でも正当化できない」とし、「これは学生に悪影響を与えるだけでなく、教育の本質を深刻に損なう」と非難した。
これに対して全教組・江原支部も即座に反論した。
全教組・江原支部は同日の声明で、「組合員は全員、現職の教員であり、学生に被害を及ぼすような行動は取らなかった」とし、「組合員は教育監に意思を表明するために校長室前で対峙したが、物理的な力を行使した事実はない」と主張した。
また、「警察に提出した映像を見ると、教育監を押したのはA課長であり、我々の組合員3人も巻き込まれて一緒に倒れ、負傷した」とし、「組合員が物理的な暴力を行使したとの主張は事実無根であり、組合員の名誉を深刻に損なう行為である」と反論した。
さらに「道教育庁が事実と異なる内容を広め、組合員の行為を非難し、世論を誤解させようとしていることに強く抗議する」とし、「全教組・江原支部は組合員を負傷させた道教育庁関係者を過失致傷の容疑で告訴するなど、法的対応を多角的に検討中だ」と付け加えた。
今回の事件は前日の10月31日18時頃、シン教育監が襄陽(ヤンヤン)高校を訪問した際、全教組・江原支部の組合員が抗議や面談を求めて訪れたことで発生した。
予定を終えて学校を出ようとするシン教育監に対して、全教組・江原支部の組合員が抗議する過程で、シン教育監や組合員、教職員らが入り乱れて倒れたのである。
この事故でシン教育監は救急車で束草(ソクチョ)医療院に搬送され、現在はソウルの病院に移送されたと伝えられている。
道教育庁は「組合員が武力抗議を行い、シン教育監は頭部と尾てい骨を負傷し、5分ほど意識を失った」と主張している。一方で全教組・江原支部側は、組合員3人が腰椎捻挫、低血糖ショック、足部打撲などの怪我を負ったと対抗している。
両者ともに今回の事件の原因を相手側にあると指摘し、法的対応まで検討していることから、この争いは警察の捜査結果によって明らかになる見込みだ。
(記事提供=時事ジャーナル)
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