韓国初となるノーベル文学賞の受賞者、ハン・ガンの代表作を「有害性教育図書」に指定し、廃棄を勧告したとして議論になった京畿道教育庁が反論に乗り出した。
京畿道教育庁は10月11日、「『道教育庁が青少年有害性教育図書のリストを作成し、各学校の図書館で廃棄を指示した』という一部の主張は事実ではない」と強く否定した。
続けて「道教育庁は各学校で、保護者を含む学校図書館運営委員会の判断に基づき、図書を自主的かつバランスの取れた形で管理できるよう支援している」と強調した。
京畿道教育庁の説明はこうだ。
昨年、保守的な保護者団体が学校の図書館に置かれている一部の書籍が学生に有害であると主張し、継続的に苦情を提起していた。それに応じて道教育庁は、同9~11月に教育支援庁へ青少年有害媒体物の審議基準を含む公文書を送付し、各学校が図書館運営委員会を開き、有害図書を判断するよう求めた。
ただ公文書には、保守系保護者団体の主張を含む報道が添付されており、一部の学校が有害図書を決める際にそれを参考にしたという。その結果、約2490校で計2517冊が「青少年有害性教育図書」と判断され、廃棄された。学校ごとに1冊を廃棄した計算となる。
また、ハン・ガンの代表作『菜食主義者』を廃棄した学校は、1校のみであることが確認された。その学校は『菜食主義者』の内容の一部が学生に悪影響を与える可能性があると判断したと伝えられている。
道教育庁の関係者は「2023年に廃棄された性教育図書は、各学校が運営委員会を開き自主的に判断して決定したものであり、特定の図書を強制したわけではない」と述べた。
なお10月10日、スウェーデン・アカデミーは今年のノーベル文学賞受賞者として作家のハン・ガンを選定した。韓国人がノーベル賞を受賞するのは、2000年にノーベル平和賞を受賞した故キム・デジュン(金大中)元大統領に続き、2人目の快挙だった。
ハン・ガンは2016年に小説『菜食主義者』で、ブッカー賞の国際部門であるマン・ブッカー国際賞(現インターナショナル・ブッカー賞)を韓国人として初めて受賞している。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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