韓国の国土交通部が金海(キメ)国際空港で発生した格安航空会社(LCC)エアプサンの航空機火災と関連し、本格的な調査に着手した。
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機内に搭乗していた乗客や乗務員の証言を総合すると、火災は座席上部の棚に置かれていた特定の物体から始まったと推定される。
機体の上部が焼け落ちた今回の事故では、搭乗していた176人全員が緊急脱出を行い、大規模な人的被害には至らなかった。
1月29日、国土交通部などによると、当局は前夜に金海空港で発生した航空機の火災原因などについて調査を進めている。
火災が発生したエアプサンBX391便は、機体上部が黒く焼け焦げ、大きな穴が空いた状態だった。火元と推定される機体後部から操縦室まで火が広がった痕跡がそのまま残されている。
また、機体左側にある2つの緊急エアスライドと右側の1つが展開され、緊迫した緊急脱出の状況をうかがわせた。
金海空港のある釜山(プサン)市の関係者は現場を確認した後、「写真で見た以上に機体がひどく焼けていた」と述べ、「死者が出なかったのは本当に幸運だった」とコメントした。
国土交通部は現地に急派された航空鉄道事故調査委員会(航鉄委)が同日午前5時55分から事故原因の調査を進めており、航空機の両翼やエンジンには損傷がないことを確認したと発表した。
これは、火災の原因がエンジンなどの機体本体の問題ではないことを意味する。
乗務員や乗客など目撃者の証言を総合すると、「荷物棚の中にあった正体不明の物体」から火災が始まった。
釜山消防災害本部によると、事故機に乗務していた乗務員が機体後方の厨房にいた際、閉じられていた棚の中から煙と火花が出ているのを目撃し、管制塔に「駐機中の航空機で火災が発生した」と通報した。
乗客たちも「棚の内部から火が出始めた」という趣旨の証言をしている。
ある乗客は、メディアとのインタビューで「機内の手荷物を置く棚から『カタカタ』という音がした後、しばらくして煙が上がり始めた」と語った。そして「乗務員が『座っていてください』と言いながら消火器を持ってきたが、すでに煙が充満し、棚から火の粉が飛び散っていた」とし、「『カタカタ』という音は、おそらく補助バッテリーや電子機器ではないか」と推測した。
煙が出た棚の近くに座っていたという30代の夫婦は「煙が出たとき、乗務員が『お客様、この中に何か入れましたか?』と尋ねていたが、その直後に煙が一気に広がりました」と証言した。
荷物棚から発生した煙は瞬く間に漏れ出して機内に広がり、その後、火が尾部上部から操縦室にまで達し、機体上部を焼き尽くした。
ある現役の機長はSNSに「航空機の補助動力装置(APU)から火が発生したのではないようだ」とし、「棚に置かれていた補助バッテリーや電子タバコの蒸気発生器などの荷物が原因か、またはトイレ内での喫煙や機内上部の電気系統の短絡が火災の原因として絞り込まれるだろう」と推測する書き込みを投稿した。
今回の事故は、1月28日22時15分頃、金海空港の駐機場で離陸準備中だった香港行きのエアプサンの航空機で発生した。
当時、搭乗中だった乗客・乗務員など計176人(乗客169人、乗務員および整備士7人)は全員が緊急脱出した。緊急脱出の過程で、乗客および乗務員7人が負傷し、一部は病院に搬送され治療を受けた。
国土交通部は、火災事故に対応するため、世宗(セジョン)庁舎に中央事故収拾本部、金海空港に地域事故収拾本部を設置し、事故の収拾に乗り出している。
また国土交通部は、乗客への補償と関連し、エアプサンが三星火災に機体および乗客保険を加入しており、乗客の傷害や手荷物に対する補償も含まれていることを確認したと説明した。
国土交通部のパク・サンウ長官は事故直後に状況報告を受け、被害規模の確認と救助を指示した。さらに29日午前10時30分に中央事故収拾本部を訪問し、収拾状況の報告を受けた。
パク長官は「チェジュ航空の旅客機事故に続き、航空機事故が相次いで発生した」と述べ、「徹底的な原因究明を通じた再発防止策の準備に努め、被害者の支援および補償にも最善を尽くす」と述べた。
チェ・サンモク大統領権限代行も、エアプサンの火災事故に関連して「脱出過程で一部の乗客が負傷したとの情報があり、迅速な対応が必要だ」と述べた。
チェ権限代行は「エアプサン航空機の火災事故で航空機が半焼したが、搭乗していた乗客・乗務員が全員無事に脱出したことは幸いだ」と述べ、「金海空港は多くの航空便が運航されているため、航空機の安全運航と国民への不便が生じないよう積極的に対応してほしい」と要請した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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