第2次世界大戦時、日本へ強制動員された元徴用工の生存者が韓国で急激に減少していることがわかった。
2月27日、韓国行政安全部によると、今年1月1日時点で政府から医療支援金を受け取っている元徴用工の生存者は640人(男性574人、女性66人)と集計された。
行政安全部は2008年から、「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者等の支援に関する特別法施行令(強制動員調査法施行令)」に基づき、生存者に年間80万ウォン(約8万3000円)の医療支援金を支給しており、この受給者数を基準に生存被害者の数を推計している。
注目したいのは、生存者の数が加速度的に減少していることだ。
2015年には9938人だった受給者数が2020年には3140人にまで落ち込んだ。以降も2021年には2400人、2022年には1815人、2023年には1264人と、毎年500人以上減少する傾向が続いている。現在は640人となった。
その背景には、被害者の高齢化がある。現在の受給者を見ると、最年少でも86歳に達しており、最高齢は109歳。100歳以上の超高齢者が172人に上る。
今年に1月27日には、イ・チュンシクさんが享年105歳で死去した。
イ・チュンシクさんは1940年代、日本製鉄の岩手県の釜石製鉄所に強制動員され、劣悪な環境下で労働を強いられたとされる。当時、17歳だった。しかし日本の敗戦後も賃金を受け取ることはなく、帰国を余儀なくされた。
韓国の最高裁は2018年10月、日本製鉄や三菱重工業など強制徴用に関与した日本企業に対して損害賠償責任を認める判決を下した。しかし、これらの日本企業は判決を履行しなかった。
そのため韓国政府は2023年3月、日本企業が支払うべき賠償金を「日帝強制動員被害者支援財団」が募金した資金で代わりに支払う「第三者弁済」方式を解決策として発表した。そして、2018年10月・11月の最高裁判決で勝訴した原告15人中、11人がこの「第三者弁済」方式での賠償を受け入れた。
イ・チュンシクさんも遅れて昨年10月30日に賠償金を受け取った(13人目)が、わずか3カ月後にこの世を去っている。
2月27日には、故チョン・チャンヒさんの遺族が「第三者弁済」方式を受け入れ、これにより2018年10月・11月の最高裁判決で勝訴した15人中14人が賠償金を受け取ったことになる。
いずれにしても被害者が次々と亡くなっているという現実が、問題の長期化を浮き彫りにしている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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