法定刑は「死刑または無期懲役」 教師による女子児童刺殺事件、被告の精神鑑定実施が決定【韓国】

2025年06月30日 社会
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韓国・大田(テジョン)市の小学校で、当時8歳キム・ハヌルさんを刺殺したとして起訴された元教師ミョン・ジェワン被告(48)について、裁判所が精神鑑定の実施を決定した。

【写真】「悪魔」ミョン・ジェワン

6月30日、韓国法曹界によると、大田地裁第12刑事部(キム・ビョンマン部長判事)は、特定犯罪加重処罰法違反(営利目的による未成年者誘拐・殺人など)の罪で起訴されたミョン被告の公判において、弁護側が申請していた精神鑑定を認めた。

この日の公判で弁護人は、「被告は(被害者を殺害する前に)理由もなく同僚教師に暴行するなど、これまでには見られなかった異常な行動を取っていた。精神状態が通常ではなかった可能性があり、専門家の見解が必要だ」と主張。犯行に精神疾患が影響を与えていた可能性を鑑定によって明らかにすべきだと訴えた。

これに対し検察側は、「被告は犯行場所や手段を綿密に選ぶなど計画性が極めて高く、精神鑑定は不要」と反論。あわせて、「視聴覚室を犯行現場に選んだ理由は“防音性が高いから”と供述していた」と明かしている。

裁判所はこうした主張を踏まえ、「この事件は刑法上もっとも重い法定刑が定められており、慎重な量刑判断が必要」とし、精神鑑定の実施を決定。「検察が請求した電子位置追跡装置(GPS監視装置)の着用命令も併せて審理されているため、再犯リスクについても精査が求められる」と説明した。

50通もの反省文

韓国の特定犯罪加重処罰法では、13歳未満の未成年者を誘拐・誘導し殺害した場合の法定刑は、「死刑」または「無期懲役」に限られている。

裁判所はまた、「精神鑑定の結果が判決に拘束力を持つものではない」としつつも、「あらゆる資料を集め、被告・検察・遺族の意見を最大限に考慮して判断する」と述べた。

ミョン被告は今年2月10日午後、大田市内の小学校で放課後学童保育を終えて帰宅途中だったハヌルさんを視聴覚室に連れ込み、自ら購入した刃物で刺して殺害したとされている。

事件を受け、大田市教育庁は4月に懲戒委員会を開き、被告を懲戒免職とした。被告はこの処分に異議を申し立てていないものの、公判が始まった3月以降、現在までに計50通の反省文を提出しているという。

学校
写真はイメージ(写真=photoAC)

(記事提供=時事ジャーナル)

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