韓国の警察と検察の両捜査機関で、昨年の懲戒件数がともに過去5年で最高値を記録したことがわかった。
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特に検察の場合、昨年の懲戒率(全体定員に対する懲戒件数)が警察を上回った。両捜査機関の規律の緩みが「内部の自浄努力だけでは限界に達した」という評価が出るなか、専門家は立法的な補完策が急務だと指摘している。
8月19日、本サイト提携メディア『時事ジャーナル』の取材を総合すると、検察の懲戒件数は2020年に8人、2021年に3人、2022年に11人、2023年に3人、2024年に17人で、昨年が歴代最高件数を記録した。
昨年の懲戒事案を種類別に見ると、免職が5人、停職が17人、減給が2人、戒告が1人で、免職および停職件数が大幅に増加したことがわかった。
同期間の警察の懲戒件数は、2020年が426人、2021年が493人、2022年が471人、2023年が486人、2024年が536人で、毎年増加傾向を示した。
単純な数字だけでは警察より検察の方が懲戒を受けていないように見えるが、実際はそうではない。韓国の検事の定員は2292人に過ぎないが、警察は13万人を超える。そのため、昨年の懲戒率を計算すると検察は0.7%で、警察(0.4%)よりも高い水準を記録した。
検察・警察のいずれも懲戒件数が増加したことには「事情がある」という声も多い。
検察は2021~2023年まで一人もなかった免職件数が2024年には5件も発生したが、その顔ぶれを見ると、シン・ソンシク前法務研修院研究委員、イ・ソンユン前ソウル中央地検長(現・共に民主党議員)、パク・ウンジョン部長検事(現・祖国革新党議員)など、多くが当時の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権と対立した現職検事たちだった。
停職処分も政治的な論争に巻き込まれた事例が少なくなく、実際の不正による純粋な懲戒事例は数えるほどだというのが検察庁内部関係者の説明だ。
警察もまた、毎年のように懲戒基準を厳しくしてきたため、逆説的に処分件数が増加していると嘆いている。
警察庁監察係に勤務するとある関係者は、「毎年のように量定基準が高まり、以前なら懲戒理由にならなかったことまで見つけて処分するので、数字が多く見える側面がある。懲戒件数が多いことが、必ずしも不正が深刻化していることに直結するわけではないと考える」と説明した。
警察庁関係者はさらに、「懲戒に関して監察中心から予防中心に変えるため、昨年は非行予防課を別途設けて運営するなど自助努力を傾けている。他の官署(警察署)で懲戒が発生した場合は、全国の総警級以上の幹部に指揮参考資料を作成して配布し、人権保護のための内部教育も強化している」と付け加えた。
専門家は、検察・警察の懲戒プロセスが異なるだけに、互いの仕組みを模倣する必要があるという解決策も提示している。
検事の場合は別途の検事懲戒法が適用され、警察・消防公務員などと異なり罷免の段階がない。また、検察総長を懲戒請求権者としているため、「身内擁護」との批判から自由でない。これを受け、現在の李在明(イ・ジェミョン)政権は発足直後、法務部長官も検事懲戒を請求でき、懲戒種類に罷免を追加する内容の検事懲戒法改正案を通過させ、施行を控えている。
一方、懲戒発生時に法務部官報などで懲戒理由を外部に公開する検察とは異なり、警察は懲戒関連事項を個人情報と見て非公開にしている。
これについてチョ・ジホ警察庁長は人事聴聞会当時、警察懲戒結果の外部公開を検討すると述べたが、現在まで進展した議論はなされていない。
東国(トングク)大学警察行政学科のイ・ユンホ教授は、「懲戒というのは多様な個人的・社会的要因によって発生するため、事前に予測しにくい側面がある」としながらも、「ただ警察の場合、成績中心の採用によって人間性を綿密に検証できていないという限界がある。警察の倫理意識を高めることができる人間性教育が何より重要だ」と提言した。
また、「検察のように懲戒発生時に具体的な理由を外部に公開することも、不正を働いた場合にどのような不利益が及ぶかを自ら検閲できるという観点で役立つだろう」と述べている。
(記事提供=時事ジャーナル)
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