マ・ドンソクも怒り狂う「韓国人拷問殺傷事件」とカンボジア“監禁地獄”に消えた若者たち

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カンボジアで20代の韓国人青年が残酷な拷問を受けて死亡するなど、拉致・監禁の被害が急増している中、韓国内でも関連する通報が相次いで寄せられていることが分かった。現地では今年だけで400~500件にのぼる韓国人からの救助要請があったとされ、大統領室はタスクフォース(TF)を設置し、政府全体での対応策の検討に入った。

マ・ドンソク主演の映画『犯罪都市』シリーズのコワモテ刑事マ・ソクトも怒りで暴走検挙に走りそうな事件がカンボジアで起きているようだが、一体、何があったのか。一連の事件を振り返る。

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カンボジアで韓国人大学生を殺害した容疑で起訴された中国人容疑者3人 (写真=カンボジア警察庁)

「2000万ウォンで解放してやる」――消えた30代男性

10月13日、韓国警察によると慶尚北道(キョンサンド)・尚州(サンジュ)警察署は、8月にカンボジアへ出国した30代男性の家族から行方不明の届出を受け、捜査を進めているという。行方不明のA氏は、テレグラムのビデオ通話で家族に「2000万ウォン(約200万円)を送ってくれれば解放される」と言い残した後、連絡が途絶えた。

最近、A氏名義のSNSには借用書の内容が書かれたノートを手にした写真が投稿されており、家族は発信元が確認できない脅迫的なメッセージを複数回受け取っているという。

警察は、海外の犯罪組織がA氏を監禁し、脅迫・恐喝している可能性が高いと見て、8月23日にカンボジア在韓国大使館、警察庁国際協力課、外交部領事コールセンターに事件を通報した。A氏が監禁されていると推定される場所や安否は、いまだ確認されていない。

「助けてください」と言い残した青年たち

光州(クァンジュ)警察庁も、光州に住む20歳と24歳の青年がカンボジアで連絡が取れなくなったという通報を受け、捜査中であると明らかにした。

20歳のB氏は、6月26日に「お金を稼いでくる」と言ってタイへ出国し、その後カンボジアに移動したことが分かっている。家族は「最後の通話でBが小さな声で“助けてください”と言った後、連絡が途絶えた」として、8月20日に警察に通報した。

24歳の青年も、4月22日に「お金を稼いでくる」と言ってカンボジアへ出国した後、行方不明となり、家族が8月11日に警察に通報した。警察は、2人が犯罪組織によってカンボジアで拉致された可能性があると見て捜査しているが、現時点で行方はつかめていない。

忠清北道(チュンチョンプクド)・陰城(ウンソン)警察署にも、「20代3人がカンボジアで監禁されている」という通報があった。そのうち1人の両親は、「息子からカンボジアで監禁されていると連絡があった」と通報。息子は「友人2人とカンボジアに旅行へ行ったが、プノンペンの建物の中で監視されている」とSNSで伝えてきたという。

全北(チョンプク)警察庁も今年、カンボジア滞在中の韓国人に関して6件の通報を受けたと発表。ただし、いずれも無事が確認され、捜査に発展した例はなかった。江原道(カンウォンド)の原州(ウォンジュ)や大邱(テグ)などでも、「カンボジアへ出稼ぎに行った家族と連絡が取れない」という通報が相次いでいる。

身代金350万円と仮想通貨の要求

済州(チェジュ)警察は、カンボジアへ出国した済州地域の20代青年が現地の犯罪組織に監禁された後、仮想通貨を支払って解放された事件を捜査している。

済州西部警察署は、7月9日に20代C氏の家族から「身元不明の人物がCを連れ去ったという連絡を受けた」との通報を受理。2日後の7月11日、同じ人物がテレグラムを通じてC氏の家族に再び連絡し、C氏本人と通話できるようにした。C氏は「詐欺に遭って借金ができ、その返済条件としてカンボジアで倉庫整理の仕事をしている」と話した。家族が「監禁されているのか」と尋ねると、「監禁ではないが、外に出たことはない」と答えたという。

警察はC氏が犯罪組織に監禁・脅迫されていると判断し、現地の警察に協力を要請したが、C氏は8月10日に突然帰国。両親は「身代金として3500万ウォン(約350万円)相当の仮想通貨を要求され、それを支払って解放された」と証言した。調べによると、C氏は融資を受けるために釜山(プサン)を訪れた後、カンボジアへ渡航したという。

7月にも、済州に住む青年が「お金を稼ぐためにカンボジアへ行ったが、監禁と脅迫を受けた」と通報。被害者は6月初めに「高収入の仕事がある」という話を信じて渡航したが、現地人に監禁・暴行され、7月初めに脱出して韓国人の助けで帰国したという。

10月13日、ソウル汝矣島(ヨウィド)の国会で開かれた外交統一委員会の国政監査で、チョ・ヒョン外交部長官がカンボジアでの韓国人犯罪被害に関して、共に民主党のユン・ヨドク議員の質問に答えている。

「1週間に10件の救助要請…再び捕まるケースも」

韓国政府は、8月8日にカンボジア・カンポット州ボコ山地域で韓国人大学生パク某(22)が犯罪組織の一味から激しい拷問を受けて死亡した事件が発生し、類似の通報が相次いだことを受けて、緊急対策の準備に入った。現地では、実際の被害規模は公表されているよりもはるかに大きいとみられている。

外交部によると、カンボジアで「就業詐欺に遭い監禁された」として韓国公館に寄せられた通報は、2021年には4件、2022年には1件にとどまっていたが、今年(1~8月)には330件に急増した。

カンボジア韓人会の会長が明かした「衝撃」

カンボジア韓人会のチョン・ミョンギュ会長は、10月13日にCBSラジオ『キム・ヒョンジョンのニュースショー』に出演し、「1週間に10件ずつ救助要請が寄せられている」と述べ、現地での拉致・監禁犯罪の深刻さを訴えた。

チョン会長は「1人で脱出する人もいれば、2~3人で逃げ出して連絡してくる人もいる。助けようと努力しているが、あまりにも多くて難しい。大使館に行くと再び捕まるのを恐れて、ホームレスのように隠れていた人が1か月後に韓人会に来て、大使館と連携して帰国させたこともある」と説明した。

また、脱出に失敗して再び犯罪組織に連れ戻されるケースも多いという。チョン会長は「移民局や空港で再び連れ去られる場合もあり、その際には暴行がより激しくなる」と話した。犯罪組織が現地警察や官公庁などと癒着しており、被害者の通報を妨げたり、逃亡した被害者を見つけて再監禁するケースもあるという。

チョン会長は「韓人会だけでなく、大使館でも今年すでに400~500件ほどの通報がある。刑務所や留置場、警察署に拘束されている韓国人青年もいる」と明かした。

さらに彼は、高収入を餌にした求人広告だけでなく、知人を介した勧誘も頻繁に起きていると警告した。「友人や先輩・後輩を連れてくるケースもあり、“新しい人を誘って連れてきたら解放してやる”“人を連れてくれば報酬を払う”といった条件を出す場合もある」と明らかにした。

また、チョン会長は韓国人を狙った拉致・監禁が「振り込め詐欺、麻薬運搬、ロマンス詐欺、株式リーディングルーム、オンラインカジノなど、さまざまな犯罪と関係している」とも指摘した。

死亡したパク氏も、忠清南道にある同じ大学に通う先輩のホン氏の紹介でカンボジアへ渡航したことが分かった。慶北警察庁は、電子金融取引法違反の容疑で拘束・起訴されたホン氏の背後関係を捜査中である。パク氏を殺害した中国人容疑者3人は現地警察に逮捕され、裁判にかけられている。

警察「強力な対応を要求」…大統領室、TFを構成

警察庁は、外交部からカンボジアでの韓国人の失踪・拉致・監禁に関する486件の通報を受け、捜査前の事前調査に着手する予定だ。

また、カンボジアに「コリアン・デスク」(韓国人事件専門担当官)を設置し、警察領事を増員する方針だ。ユ・ジェソン警察庁長代理は、「来週、カンボジア警察庁副庁長との会談でコリアン・デスク設置と現地警察の強力な対応を要請する」と述べた。

事態の拡大を受け、大統領室は「カンボジアにおける韓国人犯罪関連関係省庁TF」を設置し、10月13日午後4時30分に初会合を開催した。TFはウィ・ソンラク国家安保室長が主宰し、外交部・法務部・警察庁など関係省庁の関係者が参加した。

ウィ室長は、国民の迅速な送還のために「必要であれば段階的な送還も検討すべきだ」と述べた。

これについて、カン・ユジョン大統領室報道官は「送還を希望する国民の数を把握しており、全員を一度に送還するのが難しい場合は、可能な人から優先的に帰国させるという意味だ」と説明した。

ウィ室長はさらに「監禁された人々の犯罪行為への処置は当然だが、人道的な観点からも、国民の送還は速やかに行われるべきだ」と強調。大統領室は、犯罪組織によって監禁されたケースだけでなく、現地で犯罪容疑により拘束されている韓国人についても、帰国させて韓国の法律で処理すべきだとの立場を示した。

イ・ジェミョン大統領は、10月11日にもカンボジアで韓国人を狙った就業詐欺・拉致・監禁事件が相次いでいることを受け、外交部に対し「全力で対応せよ」と指示したという。

だが現地では今も、「帰りたい」と叫ぶ若者たちの声が、闇の中に消えている――。

(記事提供=時事ニュース)

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