医療崩壊の懸念も…韓国でジワジワと医療機器不足が広がっているワケ

2025年09月21日 社会
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韓国では今年に入り、生産や輸入が中断された医療機器の件数が昨年に比べて7倍に急増している。

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そのため現場では、必須の医療機器が手術室で不足する事態が起きかねないとの懸念が高まっている。

与党「国民の力」所属のキム・ミエ議員が9月18日、食品医薬品安全処から提出を受けた資料によると、今年1~7月の医療機器生産・輸入中断の報告件数は65件で、月平均9.3件に達した。これは昨年の月平均1.3件に比べて7倍、2022年と2023年の月平均1.1件と比べても約8.6倍に上る。

その結果、2022年以降の3年7カ月間で累計107件となり、初めて100件を突破した。

医療機器
(写真=PhotoAC)イメージ

主な中断理由は製造元の生産終了、需要の長期的減少、新製品の発売など。食品医薬品安全処は、生産・輸入中断の180日前に中断予定日や理由を報告する義務のある医療機器数を、昨年の287品目から今年は572品目へと倍増させた。報告対象が増えたうえ、国内市場での価格が低く、収益性が悪化したことで企業の撤退が相次いでいるとみられる。

韓国医療機器産業協会の関係者は「国内では医療機器の価格が極めて低く設定されており、韓国企業はもちろん、グローバル企業も市場撤退を考えざるを得ない状況だ」と指摘。そのうえで「一部の医療機器は特定の企業が独占的に供給しており、供給中断の危機が現実味を帯びている」と懸念を示した。

実際、7月末時点でCT(コンピュータ断層撮影装置)の製造許可は3件にとどまる一方、輸入許可は175件に達した。人工呼吸器(製造6件・輸入29件)、患者監視装置(製造39件・輸入69件)も国産化率が低く、人工関節、心臓弁、人工内耳といった希少・特殊医療機器はほとんど輸入に依存している。

直近5年間(2020~2024年)の生産・輸入実績を見ても、X線装置、CT、MRI、超音波診断装置など診断・検査用の必須機器の国内生産は限定的である一方、輸入規模は年間数千億ウォン規模(日本円で数百億円規模)に達している。

こうした状況を踏まえ、キム議員は「必須医療機器の国産化率を高め、安定的な供給体制を確立するための法的・財政的支援が急務だ」と強調した。

(記事提供=時事ジャーナル)

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