韓国ソウル江南(カンナム)の中心部で薬物を服用した状態で無免許運転をし、車両8台が絡む多重衝突事故を起こした20代女性が控訴審で懲役3年を言い渡された。
ソウル中央地裁・刑事控訴4-1部(ソン・ジュンホ、オム・チョル、ユン・ウォンモク部長判事)は10月16日、特定犯罪加重処罰法上の逃走致傷および危険運転致傷、道路交通法違反(無免許運転)などの容疑で拘束起訴された20代女性キム氏に対し、懲役3年を言い渡した。
これは、今年5月の1審で宣告された懲役3年6カ月より6カ月減刑された量刑である。
裁判部は「被告側が控訴審に至って被害者2人と合意し、彼らが寛大な処分を嘆願したことが有利な量刑要素として追加された」とし、「原審の刑量は重いと判断される」と明らかにした。
キム氏は昨年11月2日午後1時42分ごろ、ソウル江南区テヘラン路で無免許状態で母親の車を運転し、車6台と衝突した。さらには逆走してオートバイ1台と衝突し、計8台が絡む多重衝突事故を引き起こした容疑を受けている。
また、事故直前の同日午後1時頃には、ソウル松坡区巨余洞(ソンパグ・コヨドン)のとある裏道で、4歳男児が乗ったベビーカーを押していた30代女性を殴り逃走したこともわかった。
キム氏が起こした事故によって計11人が負傷し、そのうち1人は全治12週間にあたる重傷を負った。
キム氏は事故現場で無免許であることが確認され、現行犯逮捕された。当時は飲酒状態ではなく、麻薬類の簡易試薬検査でも陰性判定を受けた。
事故当時、キム氏は治療目的で向精神性医薬品の「クロナゼパム」を服用していたことが確認された。
1審ではキム氏に懲役3年6カ月が宣告された。1審の裁判部は「薬物運転は自分の生命だけでなく、他人の生命までも脅かす危険な犯行」とし、「被告側は薬物による精神病的障害で心神耗弱状態にあったと主張したが、経緯や犯行手段・方法、精神鑑定結果などを見ると、事物を弁別したり意思を決定する能力が著しく低下していた状態にあったとは認められない」と判示していた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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