非常戒厳事態と弾劾政局の影響で、韓国の経済的・社会的な不安が高まるなか、来年の第1四半期に韓国を訪れる中国人観光客が急減するとの見通しが示された。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)は最近発表した分析報告書で、2025年の第1四半期に韓国を訪問する中国人観光客数を83万人と予測した。
これは前年同期比で19%減少した規模だ。
中国人観光客は社会的不安への懸念から訪韓の時期を遅らせる可能性があり、この懸念は旧正月の連休まで続くと説明している。ただし、第2四半期以降には観光客誘致活動や人民元に対するウォン安の影響で、訪韓中国人観光客が増加に転じる可能性があると見込まれている。
非常戒厳事態の発生後、韓国政府と旅行・観光業界は共同の状況対応チームを構成して対応に乗り出したが、訪韓計画や予約をキャンセルする事例が相次いでいる。
業界関係者によれば、一部の日本の修学旅行団体が訪韓をキャンセルしたほか、専門の旅行代理店を通じて韓国訪問を予定していたサウジアラビアの王子一行も旅行を取りやめたことが確認された。
戒厳事態直後にはスウェーデン首相が訪韓を延期し、アメリカ国防長官も訪韓を見送った。カザフスタン国防長官に至っては訪韓を中止した。
イギリス外務省は「光化門や大統領執務室、国会(汝矣島)周辺でデモが予想される」と自国民に注意を呼びかけ、戦時下のイスラエル外務省も韓国旅行について「訪問の必要性を検討するように」と通知した。
これを受け、韓国外交部は在韓外国公館に対して「韓国の日常生活は変わりなく維持されている」とする外交書簡を送付し、文化体育観光部も観光業界に対し「韓国の観光地が正常に運営されている」との内容を各国に伝えるよう要請した。
一方、非常戒厳事態の余波が続く12月9日の午前中、韓国の株式市場ではKOSPIが取引中に2383.82まで下落し、2023年11月3日(2351.83)以来の最低値を記録した。KOSDAQ指数も3%以上急落し、KOSPIとKOSDAQはともに年初来安値を更新した。
さらに、ウォン・ドル相場は先週約2%上昇したのに続き、この日も0.4%台の上昇傾向を示している。
シンガポールのINTOUCH CAPITAL MARKETSのショーン・キャロウ首席為替アナリストは、当局による投資家心理の安定化努力にもかかわらず、「弾劾案否決に対する一部の失望感があるかもしれない」としながらも、「トランプ第2期政権発足に関連するリスクにより、ウォンの基調は依然として下落傾向にある」とブルームバーグに述べた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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