韓国で、あるデータが関心を集めている。英コンサルティング会社「ヘンリー&パートナーズ」が1月8日に発表した「2019パスポート指数」がそれだ。
これは同社が国際航空運送協会(IATA)の資料を基に、199カ国のパスポート所持者を対象に、227カ国中ビザなしで渡航できる行き先の数を算出して順位を付けたもの。
今年、トップに輝いたのは日本(190カ国)で、2年連続での首位となった。
それに続いたのが韓国(189カ国)で、シンガポールと並んで2位にランクインしている。
フランス、ドイツ(188カ国)が3位、デンマーク、フィンランド、イタリア、スウェーデン(187カ国)が4位、ルクセンブルク、スペイン(186カ国)が5位という順になった。
この結果は数多くの韓国メディアで報じられている。
例えば地上波『SBS』は、「韓国“旅券パワー”世界2位…日本が1位」と題して、韓国が昨年ドイツとフランスと並んで188カ国で3位だったが、昨年10月からインドで入国時に到着ビザの取得が可能となり、1ランクアップを達成したと伝えた。
また、「世界最強の旅券ランキングで日本が2年連続1位…韓国はワンランクアップで2位」(『グローバルエコノミック』)など、韓国が昨年より順位を上げ、単独首位の日本に迫っていることを強調するメディアも目立っている。
韓国ネット民もさまざまな反応を示しているが、1カ国差で上位に立った日本を意識するコメントが多い印象だ。
関連ニュースのコメント欄には、「それだけ韓国や日本の人達が外国でトラブルを起こしていないという証拠だね」といった声もあるが、以下のように対抗心を燃やすコメントも並んでいる。
「本当に日本とはいろいろなところで争うことになるな」
「韓国人は日本に負けたら2位でも意味がない」
「欧米に行ったらわかるよ。日本人と韓国人の待遇は転地の差だ」
一方で、「どんなことでも日本に負けたらダメだと考えるのは一種の強迫症じゃないか?」といった意見もあった。
日本と韓国がトップ2を占めただけに日本を意識せざるを得ないのだろうが、興味深いのは、両国で国籍を放棄(離脱・喪失)する人の数が大きく開いていることだろう。
というのも、日本は2017年の国籍離脱者・喪失者数が1942人(法務省発表)だったのに対し、韓国は昨年1~10月に国籍を放棄した人が過去最高となる3万284人を記録した(韓国法務部資料)。
韓国国籍を放棄した人の中には日本国籍を取得した人も多いという。
「旅券パワー」ランキングでは僅差となったなか、国籍を放棄する人の数は対照的な結果となっていることを見る限り、韓国は何かしらの対策を立てた方がいいかもしれない。
いずれにしても、韓国で関心を集めている「旅券パワー」ランキング。韓国がトップの日本を意識し対抗心を燃やしていることは間違いないだろう。
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