韓国は儒教思想が根付いている。なかでも目上の人間を尊ぶ考えは、今なお社会的な常識だ。しかし儒教的思想は同時に、強い男尊女卑の思想が残っている。
もちろん、そうした時代錯誤の考えは徐々に淘汰されていて、日常生活において女性が損を被るというケースは減少しており、女性の社会進出も活発化している。
“女性社長”も増加傾向だ。実際、韓国国税庁が発刊した国税統計年報によると、昨年末の総事業者数は920万7000人。その内の約40%が女性事業者なのだ。ここでいう「事業者」は、営利と非営利関係なく事業上独立的に財貨と用役を供給する者を意味する。
正確には、女性事業者数は369万3000人で全体の40.2%を占めた。2020年度は343万5000人(全体の39.7%)、2019年度は315万3000人(39.2%)だったことから考えても、着実な増加だといえる。
こうした状況に韓国内では「まだまだ女性の立場は弱い。男性有利な韓国社会は時代遅れだ」「働かない女性社長が増えている」「文政権時にフェミを推して、支援金を出したからお飾りの女性社長が増えただけだ」など、賛否両論の意見が起きている。
コメントにもある通り、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は、大統領選挙候補時代から「男女平等な韓国」という女性向けの政策を10大主要公約の1つとして提案し、女性の社会進出に力を注いでいた。その結果、文政権の若者の雇用政策については女性の56.1%が肯定的な評価をしたが、男性の58.6%は否定的だった。
一方、現在の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は、「女性家族部の廃止」を掲げるなど、文政権とは真逆の方向に舵を切ろうとしたが、そうした政策への反発は多い。
女性の社会進出が活発化したとされる韓国だが、いまだ社会の隅々では男性有利な部分は多い。しかし、そうした部分も時代の流れと共に変化していくだろう。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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