北朝鮮が金剛山(クムガンサン)観光地区内にある韓国側の施設の建物を撤去していることが明らかになった。
12月2日、ク・ビョンサム統一部報道官は定例記者会見で「金剛山観光特区内の多くの施設が撤去されるか、撤去中だ」と述べ、「アナンティーゴルフ場」のクラブハウスの撤去などの動向を把握していると明らかにした。
ク報道官は「現在、離散家族の面会所を含む一部の施設だけが撤去されていないと把握している」と述べた上で、「我々の政府と企業の財産権を侵害する行為については、時間がかかったとしても北朝鮮に責任を明確に問うつもりだ」と強調した。
北朝鮮は、2019年2月のハノイ米朝首脳会談が成果を出せずに終わった後、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の指示で金剛山観光地区内の韓国側施設の撤去を決定し、2022年から撤去作業を進めている。
当時、金正恩委員長は金剛山観光地区を訪れた際、韓国側の施設を「見るだけでも不快になる粗末な施設」と表現し、「韓国側と協議してすべての施設を撤去し、金剛山の自然景観に調和する現代的な奉仕施設を我々の方式で新たに建設すべきだ」と述べた。
これとは別に北朝鮮は、3月に京義線・東海線道路の街灯撤去、5月に京義線・東海線鉄道の枕木撤去、10月に京義線・東海線道路の爆破を次々と実行している。
またク報道官は、11月29日から30日にかけて行われたロシアのアンドレイ・ベロウソフ国防長官の北朝鮮訪問について、「金委員長が厚遇する姿を演出し、ロシアと北朝鮮の密接な関係を誇示した点を注視している」と語った。
金正恩委員長はベロウソフ長官と会見し、歓迎公演や宴会にも出席して、ロシア代表団を格別にもてなしたと伝えられている。
(記事提供=時事ジャーナル)
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