尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案が可決されたなか、日本では日韓関係の悪化を憂慮する声が日に日に高まっている。
そんな日本の懸念が現実のものとなりつつある韓国での反応が多々見られる。
『読売新聞』は12月15日、世論調査の結果を発表し、「韓国の尹錫悦大統領が戒厳令を宣布して政治が混乱したことを受け、今後の日韓関係に不安を感じるかについて尋ねた。不安を『感じる』は66%で、『感じない』の31%を上回った」と伝えた。
同紙は同日、「尹氏が罷免された場合、日本との関係強化に否定的な左派政権が誕生する可能性があり、政府は外交・安全保障政策の揺り戻しを警戒する」とも報じていた。
また、『毎日新聞』も「日米韓の連携を重視し、日韓関係改善の“旗振り役”だった保守系の尹氏の失脚が、東アジア情勢に悪影響を与えることを懸念する声も上がる」と不安を伝えた。
他にも『日本経済新聞』が「韓国国会で14日、尹錫悦大統領の弾劾訴追案が可決されたことを受け、日韓外交は事実上の停止状態に陥る。首脳間の意思疎通をテコに関係改善に動いていたが、厳しい状況へ後戻りする懸念が高まる」と報じた。
いずれも尹大統領なき韓国と日本の関係を不安視しているわけだが、そんな日本に対する韓国の反応が興味深い。
すでにオンライン上では、今後の日韓関係悪化を“予兆”させるような反応が続出している。
日本との関係改善に努めてきた尹大統領に対して、「恥ずかしいことだ。尹錫悦がどれほど国民の反対を押し切ってまで日本の指示に従ったのかがよくわかる」「尹錫悦が親日派であることを日本政府が自ら認めたが、今後、このような親日派の大統領は二度と期待しないことだ」「大韓民国の大統領にとって受け得る最悪の評価だ」といった声が上がっている。
実際に2022年5月に尹大統領が就任後、同年11月には3年ぶりの日韓首脳会談が開かれた。2023年3月には韓国政府が元徴用工問題の解決策を提示し、尹大統領の来日もあった。その直後の5月には、岸田首相が訪韓して「シャトル外交」が再開している。
今年に入っても、石破首相と尹大統領は10月にラオス、11月にペルーで日韓首脳会談を行い、来年の国交正常化60年に合わせて日韓関係がますます改善されると期待されていた。しかし、そんな尹大統領に対して韓国では現在、「親日売国奴」と批判する声が圧倒的なのだ。
また、尹大統領への批判が日本批判へとつながっていくような反応も少なくない。「韓国の大統領がなぜ日本の言うことを聞かなければならないのか?」「尹大統領は日本の要求をよく聞いてあげる“カモ”だったということだ。得るものは何もなく、日本に裏切られるだけ」「尹錫悦時代を考えてみると、日本の属国ではないか」といった意見があった。
現在の韓国の反応を見る限り、今後の日韓関係は少なくとも一定程度の冷え込みが避けられないだろう。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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