「親・文在寅(ムン・ジェイン)派の嫡子」と呼ばれるキム・ギョンス前慶尚南道(キョンサンナムド)知事が、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表に対し、改憲推進を要請した。
李代表が「内乱事態の収拾が優先」とする党の基本方針に沿い、改憲に対して消極的な姿勢を維持するなかで、キム前知事が圧力を強めたものとみられる。
李在明代表とは距離を置く「非・李在明派」大統領選候補の1人とされるキム前知事は、2月4日、自身のフェイスブックで「李在明代表が国民の不安を解消するために、改憲推進の先頭に立ってくれることを要請する。私も支持し、共に歩む」と表明した。
さらに、「弾劾の最終目的地は、戒厳が不可能な改憲にある」と述べ、「戒厳防止改憲」が必要だと主張した。また、「第2の尹錫悦(ユン・ソンニョル)、第2の戒厳と内乱が二度とこの地に足を踏み入れられないようにすることこそが、真の内乱克服だ」と強調した。
キム前知事は「内乱前までは、大統領制、責任総理制、内閣制など、権力構造に関する議論が改憲の主要な争点だった。しかし内乱後は、違憲な戒厳を根本的に防ぐことがより差し迫った課題となった」と指摘した。
続けて「戒厳と内乱を根本的に封じる改憲とともに、大韓民国の民主共和制を守り抜いた光州抗争(光州事件)の精神を憲法前文に盛り込むことも、もはや先送りできない課題となった」と述べた。
また、「これに加え、大統領の権力をどのように分散し、抑制と均衡のシステムをどう強化するかについても決めるべきだ」とし、「そうした制度の上に新政府が発足してこそ、誰が次の大統領になったとしても国民が不安を感じずに済むだろう」と伝えた。
キム前知事は、早期大統領選前に権力構造の改編について議論するべきだという考えも示唆した。
キム前知事は「国民の不安を解消するための改憲について、共に民主党が消極的である理由はない」と述べたうえで、「まずは政権交代、すなわち共に民主党の大統領選勝利こそが弾劾の完成形だ。しかし弾劾の最終目的地は、内乱や戒厳を根本的に不可能にする改憲でなければならない」と説明した。
また、李在明代表に向けて「改憲に慎重な李代表の苦悩は理解している。しかし、政治家は責任を持って弾劾後の未来を準備しなければならない」とし、「共に民主党が前に出るべきだ」と改めて強調した。
今回の発言は最近、「改憲の必要性」を掲げ、非・李在明派が結束しつつある状況で出されたという点でも注目される。
先立って1月24日、キム前知事は「共に民主党」のパク・グァンオン前院内代表が設立した改憲推進のためのシンクタンクの創立記念シンポジウムに出席した。この場でキム前知事は、李代表および「親・李在明派」を念頭に、「特定の個人や特定の考え方の独走を許さない多元主義を目指すべきだ」と苦言を呈した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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