「12・3非常戒厳事態」に関連し、内乱重要任務従事などの容疑で収監・起訴されたヨ・インヒョン前国軍防諜司令官が法廷で「尹大統領と閣僚に対し、戒厳に反対する直言を何度も行った」と主張した。
2月4日、法曹界によると、ヨ前司令官はソウル・龍山(ヨンサン)区の中央地域軍事裁判所で行われた初公判準備期日に出廷し、「私の基本的な信念に基づき、戒厳に反対する直言を行った」と述べた。
この日、軍服姿で出廷し、裁判部から直接発言の機会を得たヨ前司令官は、「私は戒厳を計画・準備する理由も動機もない」と主張。さらに「戒厳後の計画そのものを知らなかったため、期待できる利益もなかった」と発言した。
また、「反対の所信にもかかわらず、軍統帥権者(大統領)の公然かつ明確な非常戒厳宣言の命令を軍人として実行した」とし、「テレビで生中継されるわずかな間で、非常戒厳が違法かどうか、さらにそれが一度も考えたことのない内乱行為に該当するかを即座に判断できる人などいない」と声を強めた。
ヨ前司令官は、非常戒厳の局面で大きな争点となった「政治家の逮捕」や「選挙管理委員会(選管委)サーバーの持ち出し」について、実際には何も実行されなかったと主張した。
彼は「結論的に軍防諜司令部は軍人としての命令に従い、国会と選管委に出動したが、ただ復帰したことがすべて」と強調した。また、「検察の調査を受け、当時の司令官として私の責任が非常に大きいことを痛感した」としながらも、「私の法的責任については公正に問われるべきだが、命令に従い慎重に行動した参謀や防諜司要員たちには寛大な処分をお願いしたい」と求めた。
裁判部の「(公訴状には)チョ・ジホ警察庁長に電話し、李在明(イ・ジェミョン)、ウ・ウォンシク、ハン・ドンフンら10人以上を逮捕するので、位置を確認してくれという趣旨で要請したとされるが、要請した事実はないのか」という質問に対して、ヨ前司令官側は「次回の期日に整理して説明する」と回答を保留した。
一方、軍検察側はヨ前司令官の主張を強く否定した。
軍検察側は「被告人(ヨ前司令官)は主要な軍司令官の1人として、戒厳宣言前から大統領とキム・ヨンヒョン前国防長官から戒厳宣言とその命令について知らされており、違法性を判断する十分な時間があったにもかかわらず、あたかも戒厳宣言後に初めて知り、違法性がわからなかったとする主張は受け入れがたい」と反論した。
さらに、「被告人は、部下が選管委と国会に到達しなかったことを、まるで自らの指示であるかのように話しているが、これは部下たちが独自の判断で動いたに過ぎない」とし、「実際には被告人が国会で政治家の逮捕を指示し、選管委のサーバーの奪取・複製などの任務を遂行するよう指示していた」と指摘した。
軍検察の公訴事実によると、ヨ前司令官はムン・サンホ前情報司令官とともに、パク・アンス陸軍参謀総長が「12・3非常戒厳」当時に戒厳司令官として発令した戒厳布告令に基づき、国会など主要機関の掌握を試みた容疑を受けている。
また、軍兵力を投入し、国会議員などの要人の逮捕や、選管委の資料の奪取を試みるなど、司令官の地位を悪用した違法行為を行ったとして職権乱用の罪も併せて問われている。
ヨ前司令官側の弁護人は取材陣に対し、「ヨ前司令官は戒厳に関与したこと自体については反省している」と述べた。一方で「国体を乱す目的で自ら内乱を起こそうと考えたことは一度もない」とし、「今後の裁判で内乱罪の成立について慎重に検討すべきだ」と強調した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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