韓国の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が自身の公職選挙法違反容疑事件の控訴審裁判所に対して、違憲法律審判を提請したことをめぐり、与党「国民の力」だけでなく、野党からも批判の声が上がっている。
特に野党の大統領選有力候補とされるキム・ブギョム前国務総理は「裁判所と国民を信じて進むことが政治指導者としての正道ではないかと思う」と述べた。
キム前総理は2月5日午前、CBSラジオの『キム・ヒョンジョンのニュースショー』でこのように発言した。
続けて「もちろん(提請の採否は)裁判所が判断する問題だ」としたうえで、「ただ、李代表が過去に困難なときも裁判所と国民を信じて進んだことで良い結果を得た。そのため、むしろその道を進むことが正道ではないかと思う」と付け加えた。
司会者が「違憲法律審判を申請するより、堂々と裁判を受けるべきだったということか」と尋ねると、キム前総理は「その通りだ」と答えた。
そして「(李代表の)弁護団が法律的に検討した結果、そのような判断を下したのだろうが、李代表は政治指導者ではないか。結局は裁判所の判断と国民を信じて進むのが最も正しい道だ」と重ねて強調した。
与党側では、李代表が裁判を遅延させるための策略だとして批判を強めている。
「国民の力」のクォン・ソンドン院内代表は自身のフェイスブックを通じて、「万が一、裁判所が違憲法律審判の提請を受理すれば、憲法裁判所の決定が出るまで裁判は中断される」とし、「自分の裁判を無限に遅延させ、その間に早期大統領選があれば選挙で罪を隠ぺいしようという意図だ」と批判した。
さらに「最近、共に民主党はフェイクニュースの取り締まりを名目に『民主派出所』のような奇怪なことをしているが、党代表は選挙法上の虚偽事実流布を処罰することが違憲だと主張している」と述べ、「嘘をつくことは李代表だけの特権なのか」と反問した。
続けて「これはどれほど奇妙な矛盾か。やはり人は変わらないものだ」と指摘した。
クォン院内代表は「罪を犯したなら罰を受けるのが常識だ。しかし李代表は法律そのものをなくして罰を逃れようとしている」とし、「基本所得や基本社会を叫ぶ前に、基本的な道徳を身に付けてほしい」と付け加えた。
また、ソウル高等裁判所に対しても「李代表側の違憲法律審判の提請を受け入れてはならない」と警告した。
これに先立って李在明代表は2月4日、ソウル高裁・刑事6-2部(裁判長:チェ・ウンジョン)に対して、公職選挙法の処罰条項について違憲法律審判の提請書を提出したことが伝えられている。
違憲法律審判とは、裁判中の事件に適用される特定の法律条項が憲法に違反している疑いがある場合、憲法裁判所に対して違憲性の有無を判断してもらう制度だ。裁判所が提請を受理した場合、その裁判は憲法裁判所の決定が出るまで中断される。
(記事提供=時事ジャーナル)
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