内需回復の遅れや雇用の鈍化など、韓国内の悪材料に加え、対外的な不確実性が重なり、政府の景気判断が一層厳しくなっている。
韓国の企画財政部は、2月14日に発表した「最近の経済動向(グリーンブック)」2月号で、「最近の韓国経済は消費・建設投資などの内需回復が遅れ、脆弱な部門を中心に雇用の困難が続いている」とし、「国内外の不確実性拡大による経済心理の萎縮などで景気の下押し圧力が増加した」と診断した。
2月のグリーンブックでは、「内需回復の遅れ」という表現が新たに使われた。
政府は2024年5月から「内需回復の兆し」という表現を使用していたが、予想に反して下半期も内需が回復の流れを見せなかったため、同年11月からはこの表現を景気判断から除外した。昨年12月と2025年1月には内需に関する言及をせず、2月にはさらに踏み込んで「内需回復の遅れ」という表現を使った。
最近の消費や投資などの内需指標は、政局の混乱や建設業の不振などの影響で悪化している。
産業活動動向によると、2024年12月の小売販売は前月比0.6%、前年同月比3.3%でそれぞれ減少した。建設投資は前月比1.3%増加したものの、前年同月比では8.3%減少した。2025年1月の消費者心理指数は91.2で、依然として基準値の100を下回っている。
韓国政府が2カ月連続で雇用状況に関して否定的な表現を使ったことも、注目すべき点だ。1月の「雇用の鈍化」という判断に続き、2月は「雇用の困難が続く」という表現が登場した。
実際、1月の就業者数は前年同月比13万5000人増え、1カ月ぶりに増加へ転じたが、建設業の就業者数は16万9000人減少し、2013年の産業分類改編以降で最も大きな減少幅となった。
製造業の就業者数も7カ月連続で減少が続いている。また、若年層の就業者数も21万8000人減少し、2021年1月以降最大の減少幅を記録した。
政府は地政学的リスクが続くなか、ドナルド・トランプ第2期政権の関税賦課措置が現実化し、通商の不確実性が拡大したことで景気の下押し圧力が高まったと評価した。
1月の全産業企業心理指数は85.9で、前月比1.4ポイント低下した。輸出は操業日数の減少の影響で、前年同月比10.3%減少している。
一方、消費者物価は石油類価格の上昇幅拡大などにより前年より2.2%上昇。また、食料品・エネルギーを除いたコアインフレ率も1.9%上昇した。
政府は「第1四半期の民生・経済対応プランを通じて、雇用・庶民金融・小規模事業者などの分野ごとに改善策を迅速に準備する」とし、「アメリカの関税賦課による韓国企業の被害支援、先端戦略産業基金の設置など、通商環境の不確実性に積極的に対応していく」と明らかにした。
(記事提供=時事ジャーナル)
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