韓国の最大野党「共に民主党」が提案した「35兆ウォン(約3兆7000億円)規模」の補正予算案に「全国民民生回復支援金」が含まれたことについて、党内からも反発の声が上がっている。
大統領選の有力候補の1人であるキム・ドンヨン京畿(キョンギ)道知事は、全国民に一律で支給する方式に反対し、「より厳しい状況にある階層に対して、きめ細かく厚く支援すべきだ」と主張した。
特に、イ・グァンジェ元議員は「しっかりしなければならない。どうか正道を歩もう」と強く訴えた。
「共に民主党」は2月13日、35兆ウォン規模の独自の補正予算案を発表した。その中には、民生回復の一環として消費クーポン発行のための13兆ウォン(約1兆3800億円)の予算も含まれている。
これは李在明(イ・ジェミョン)代表が1月31日、政府・与党の補正予算編成の障害になるならば「放棄する」と述べていた民生回復支援金の予算を、名前を変えて盛り込んだ形となった。
これにキム・ドンヨン知事は2月14日、光州(クァンジュ)広域市で開かれた光州経営者総協会の特別講演で「(共に民主党の補正予算案発表は)やや遅れた感はあるが、私が以前から主張していた内容に近いことが含まれていて、本当にうれしく思った」としながらも、「それでも全国民に25万ウォン(約2万6500円)ずつ民生回復支援金を支給するという部分が残っていると聞いた。その額は13兆ウォンにも上る」と指摘した。
続けて、「民生回復支援金を支給することには賛成だが、全国民に一律25万ウォンずつ配る方式には2つの問題がある」と述べ、限界消費性向(所得が増えた際に消費に回る割合)や政策の一貫性の問題を挙げた。
そのうえで、「より厳しい状況にある階層に対して、よりきめ細かく厚く支援するべき」とし、「所得階層の下位25%に民生回復支援金を支給するならば、1人当たり100万ウォン(約10万6000円)ずつ支給できる」と提案した。
また、「経済的に困難な層ほど限界消費性向が高い」と述べ、「富裕層は所得が増えたからといって、1日3食を4食に増やしたり、スーツを毎日1着買ったりするわけではない」と指摘。逆に「低所得層や中産層は消費する可能性が高い」との見方を示した。
党内の対応についても言及し、「補正予算のために民生回復支援金の25万ウォン支給を譲歩、あるいは撤回することもあると話していたが、結局は含めてしまった」と批判し、「共に民主党の支持率が、国民の力(与党)と拮抗しているというのは、それだけ共に民主党が国民の信頼を得られていないということ。政策の一貫性を保つことが重要だ」と強調した。
これは李代表や「共に民主党」指導部に対して、政策メッセージの一貫性を求めた発言とみられる。
イ・グァンジェ元議員も、キム知事の主張に同調した。
彼は自身のフェイスブックに「週52時間と25万ウォン、しっかりしよう、正道を歩もう」というタイトルの投稿をし、「補正予算には庶民支援が必要だ。しかし、全国民への25万ウォン支給は違う」と述べ、「低所得層の支援と消費促進に集中すべきだ」と主張した。
また、「共に民主党は25万ウォン支給を推進しようとしたが、政府の反対で頓挫した。今こそ現実的な視点が求められる」とし、「一か八かのような政治はやめよう」と批判した。
さらに、「政策は党内で徹底的に議論して決定すべきだ」とし、「一度決定した政策は実行し、変更の必要が生じた場合は、その経緯を党員や国民に説明すべき」と訴えた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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