映画『君の名は。』のプロデューサーがわいせつな行為の罪などに問われている裁判で、懲役4年の実刑判決を言い渡されたことが韓国でも注目を集めている。
「児童を含む100人を性売買…日本アニメ『君の名は。』プロデューサーに懲役刑を宣告」と見出しを打った『ソウル経済』をはじめ、『イーデイリー』『ソウル新聞』『韓国経済』などの韓国メディアが関連ニュースを報じた。
多くの韓国メディアが取り上げたのは、『君の名は。』が韓国でもヒットしたからに他ならない。
韓国で『君の名は。』は2017年1月に公開されると、390万人以上の観客を動員し、当時の日本映画の最高記録を樹立。さらに『小説 君の名は。』など関連書籍もオンライン書店で売上1位を記録するほど人気を博した。
グーグルの韓国法人が同年12月に発表した2017年のグーグル検索ランキングによると、韓国ユーザーがその年に最も検索したキーワードが『君の名は。』だったほどだ。
当時、ある韓国メディアは『君の名は。』のヒットについて、「韓国のアニメは子どもたちをターゲットにしたコンテンツに限られている。その反面、日本のアニメは全世代が楽しむものだ。韓国での『君の名は。』の成功にはこうした背景がある」と分析した。
そして「理由はもう一つある。国民的な災難に対する慰労と希望のメッセージだ。『君の名は。』は、起こってしまった悲劇を巻き戻したいという思いも込められていた。2011年の東日本大震災の影響だ。これが2014年にセウォル号沈没事故を経験した韓国人の心境にも重なった」と、メッセージ性が支持されたと説明した。
『君の名は。』が韓国で保持していた歴代日本映画の観客動員数1位の記録は、2023年に公開された『すずめの戸締り』(558万人)と『THE FIRST SLAM DUNK』(490万人)に更新されたが、この作品が韓国において日本アニメ映画ブームを牽引したことは間違いないだろう。
そのため『君の名は。』プロデューサーの犯罪が大きな話題になっているのだ。
懲役4年を言い渡されたという報道を受け、韓国のオンライン上では「なんとなく必要のない、いかがわしいシーンが多いと思っていた」「もう映画のポスターを見ても、そう感じてしまう」「『君の罪は』にタイトルを変える必要があるな」と、遡行的に作品を批判する反応が寄せられた。
また、「これだけのことをしておいて、たった4年?」「懲役40年でも足りない。日本も韓国と同じで犯罪にとても寛大だ」「これほどの犯罪が懲役4年とは衝撃的だ」と、量刑の軽さに驚く声も多数上がった。
なお、和歌山地方裁判所は2月28日、「被害者の心身の健全な発達に影響を及ぼすもので責任と非難の程度は大きい」として実刑判決を言い渡した。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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