韓国最大野党「共に民主党」が、チェ・サンモク大統領権限代行・副首相兼企画財政部長官に対する弾劾訴追案を発議する。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権下で29回目の弾劾訴追案として名を連ねたハン・ドクス国務総理の弾劾審判の判決を目前に控え、「共に民主党」は30回目の弾劾対象を決定した。
「共に民主党」は3月21日午前、記者らに送ったメッセージを通じて、14時にキム・ヨンミン院内政策首席副代表らが国会でチェ代行の弾劾訴追案を発議すると明らかにした。
「共に民主党」は、チェ代行に対する弾劾を長らく検討してきたが、複数回の会議の末、今回の決定に至った。党指導部は2月27日、憲法裁判所がチェ代行によるマ・ウンヒョク憲法裁判官候補の任命拒否が国会の権限を侵害するという判断を下したにもかかわらず、チェ代行がこれを履行しなかったことから、「弾劾の理由は十分にある」として全面的な攻勢を続けてきた。
「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表も、チェ代行に対する圧力を強めてきた。
李代表は3月19日、チェ代行に向けて「職務遺棄の現行犯として逮捕されるかもしれないので、身の安全に気をつけるように」と発言し、強い非難とともに「暴言」としての逆風も招いた。党指導部はこの「身の安全に気をつけろ」発言から3日後、弾劾案を正式に決定したことになる。
一方、3月19日に開かれた議員総会では、「連続弾劾」による逆風を懸念し、チェ代行の弾劾に慎重な意見も党内で提起された。「共に民主党」の議員の中には、「弾劾疲れ」による国民の世論を考慮して反対する声も少なくなかったが、最終的に弾劾の判断を委任された指導部が推進を決定した形だ。
また、ウ・ウォンシク国会議長もチェ代行の弾劾のために別途本会議を開くことに否定的な立場を示しているという。加えて、「共に民主党」内部でも「チェ・サンモク弾劾」や「連続弾劾」が中道層の世論を遠ざける可能性があるとの懸念が広がっており、表決を強行するのは容易ではないとの見方もある。
政界の一部からは、仮に憲法裁判所が3月24日に予定されているハン国務総理の弾劾審判で「棄却」の決定を下し、ハン国務総理が職務に復帰することになれば、「チェ・サンモク弾劾案」は大きな意味を持たなくなるだろうとの指摘も出ている。
(記事提供=時事ジャーナル)
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