「被害者を守ろうとした人は再審請求から3週間で棄却され、除名が確定した。一方、再審を請求した加害者は60日をまるまる経てようやく除名が確定した。正義はなぜこれほど遅く、不義はなぜこれほど迅速なのか」
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「祖国革新党」のカン・ミジョン報道官が9月4日、離党を宣言した。
2024年3月12日に「無道な政治検察の権力の横暴を防ぎ、また阻止する」として入党してから1年4カ月後のことだ。カン・ミジョン報道官は離党の理由として、「性的不祥事を起こした加害者に対する党の組織的な擁護」を挙げた。
彼女は「事件が受理されてから5カ月が経とうとしている今も、党による被害者支援対策は何一つ用意されていない」とし、党の実質的な責任者であるチョ・グク革新政策研究院長もこの件について沈黙していたと主張した。
カン・ミジョン報道官はこの日、ソウル汝矣島(ヨウィド)の国会内記者会見場で離党記者会見を開き、「今日は検察改革公聴会が開かれる日だ。しかし私はその場に立つ代わりに、この惨憺たる現実を伝えるためここに立った」と切り出した。
彼女は「党内の性加害・いじめ事件の被害者の一人は先月、党を去った」とし「この事件に関連して党の刷新を訴えていたセジョン市党委員長は9月1日に除名され、一緒に活動していた運営委員3人も懲戒を受けた」と語った。
カン・ミジョン報道官は「被害者を助けた支援者は『党職者品位維持違反』という名目で懲戒を受け、数日前に辞表を提出した。別の被害者も今この瞬間、辞職を準備している」とし、「性問題を女性委員会の議題に上げた議員室秘書官は党職者に暴行を受け、事件は検察に送致されたが、告訴取り下げを迫られている」と暴露した。
また、「この1年6カ月、汝矣島で過ごした時間は私の人生で最も熱く熾烈な時間だった。『3年は長すぎる』というスローガンを声が枯れるほど叫び、検察独裁の早期終息のために心と魂を燃やした」と述べ、「私がすなわち祖国革新党であるかのように、その中で生き、泣き、走った」と語った。
続けて彼女は「しかしその道で私が直面したのは、同志だと信じていた人々のセクハラや性暴力、そしていじめだった」とし、「そしてそれを見て見ぬふりをした視線だった」と声を強めた。
カン・ミジョン報道官は「最初は自分一人で耐えればよいことだと思った。いつか加害者たちが恥を知ると信じた。ともに厳しい時期を耐え抜いた同志だったからだ」と述べた。
「しかし私より若い、社会に出たばかりの被害者たちの声が聞こえてきた。助けてほしい、手を取ってほしいと。独りでは耐えきれないセクハラや職場でのいじめの前で、彼らの人生が潰れていこうとしていた。私はその手を取った」とも語った。
また、「それが女性委員会副委員長として、先輩として私が負うべき責任だと信じた。しかし党は、被害者たちの絶叫を無視した。倫理委員会と人事委員会は加害者と近い人物で構成され、外部調査機関設置の要求は受け入れられなかった」と指摘した。
カン・ミジョン報道官は「問題提起は、あたかも偽善に満ちた戦いであるかのように貶められた。事件が受理されてから5カ月が経つ今も、党の被害者支援策は一つも用意されていない。最初に行われるべきだった被害者保護と回復が無視されるなかで、被害者たちは党を去っている」と彼女は語った。
そして「これ以上待てない、そして去るしかないと確信する理由になった。結果は不公平だった。被害者を守ろうとした人は再審請求から3週間で棄却され、除名が確定した。一方、再審を請求した加害者は60日を経てようやく除名が確定した」と語った。
彼女は「正義はなぜこれほど遅く、不義はなぜこれほど早いのか」と問いかけ、「私たちは待った。8・15特赦を待ち、その後、党が立て直される日を待った。しかし今は悟った。もう待つ必要はないのだ」と失望感を表明した。
最後に「立派に解決できず申し訳ない。共感と連帯の代価として傷つき、侮辱された多くの党員同志に慰労と感謝を伝える。我々が共に経験した痛みが無駄にならないことを、今日の涙が明日の変化につながることを信じる」と述べ、「不義には沈黙せず、小さな声を最後まで増幅させる」と付け加えた。
カン・ミジョン報道官は、チョ・グク院長も党内の性問題を知りながら、何の措置も取らなかったと指摘した。
記者会見後、記者との懇談でカン・ミジョン報道官は「チョ・グク前代表が収監されていた間、連帯した党員たちが手紙で知らせ、出所後も外でプラカードや文書を通じて詳細を伝えたと承知している」と述べた。
そして「(チョ・グク院長が出所した)8月15日の前後で何の立場の変化もなく、発言しない沈黙も私が解釈すべきメッセージだと思う」と語った。
カン・ミジョン報道官のこのような暴露に対し、祖国革新党は「事実と異なる」として遺憾の意を表明した。
祖国革新党は同日、カン・ミジョン報道官の会見について「祖国革新党は性問題・いじめ事件に関して党憲・党規に従い、被害者の要求事項をすべて受け入れ、関連手続きを終えた。被害者側の要請で外部機関が調査を専担して行い、党外部人材で構成された人権特別委員会の点検も受けた」とし、「それにもかかわらず事実と異なる主張が出されたことについて遺憾を表明する」と明らかにした。
祖国革新党は、すべての被害者側と協議を経て外部機関が調査を行い、党はその結果を受け入れて倫理委・人事委で懲戒など人事措置を行ったと説明した。祖国革新党は「申告受理直後に倫理委に事件を付託した。被害者の要請により外部機関で調査した」とし、「党倫理委は結果を受け入れて、加害者を除名処分した。党として取り得る手続きはすべて完了した」と伝えた。
倫理委・人事委の構成員が加害者の側近で占められていたとの主張については、「誤解を招く委員はすべて手続きから外し、倫理委は外部人材が多数を占める構造だ。事件は外部人材が責任を持って進めた」と述べた。
また、2次加害の疑惑に関しては「被害を訴える当事者が警察に申告したので、捜査当局の措置結果に従い、厳重に対応する予定だ」と語った。
(記事提供=時事ジャーナル)
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